ホラー映画界の新鋭マイクフラナガンの監督一作目。『シャイニング』の続編も撮るのでは？とか言われてますね〜楽しみです♫

しかし、この邦題はひどい…。邦題から連想されるようなB級感満載のモンスターホラーではありません。問題を抱えた姉妹のドラマがメインの静かな作品です。

あらすじ…
7年前に夫が行方不明になった主人公。未だに夫を忘れられないけど、今後のことを考え失踪宣告の手続き中。長旅から帰ってきた妹が主人公に寄り添うも、やはり元気が出ない。ある日、妹が近所のトンネルで浮浪者を見つけ、かわいそうなので家から食べ物を持っていく。もう男はいなかったが、その場に食べ物を置いて帰った。その日から奇妙なことが起こり始め…という話。

突然ですけど、みなさま、幼い頃に近所になんとなく怖い場所ってなかったですか？？別にそこに何かあるわけじゃないんだけど、できればあんまり近づきたくない。夜に1人で通るときには駆け足で通り抜けるような。本作はそんな場所に関するお話。

常々思うのが、マイクフラナガン監督のホラー愛の凄さですね。ホラー映画に限らずホラー小説もかなり好きなんじゃないかな〜。『ソムニア』のあのネタって間違いなくEFベンスンの某怪奇小説だし、多分本作の出発点も怪奇小説の、オーガストダーレス『淋しい場所』的な発想だと思うんですよね。そこに若干のクトゥルフ（若干違いますが…）的な要素を加えた感じ。

そして、もう１つ題材にしてるのは神隠し。神隠しって失踪の原因は神や妖怪だと思うんですけど、本作はそこをクトゥルフ的な要素に変更している。そして、神隠しは精神的に不安定な時期にあいやすいとも言われていて、まさに本作の描くもののように思います。

物語としては、あえてだと思いますが、しっかりとは掴みきれないんですよね。信頼できない視点によって物語が進んでいくので、何が起こってるのかがはっきりと観客にはわからないんです。姉は行方不明の夫の幻想を頻繁に目撃するし、妹は元ヤク中。今はやめてるとか口では言ってるけど、実際はやめれてない様子。その2人の目線で進行するので、画面に映っているものをそのまま信用して良いのかわからない。

そして、異世界に通じてそうな気味の悪いトンネル。街で遥か昔から時々発生する失踪事件。たくさんの迷子動物の貼紙。そんな感じで、良くないことを連想させるものがいたるところに散りばめられてるのと、ミステリアスで静かな空気感が、観客を最後まで引き込み続ける。物語的な解釈は何通りもできると思うんですけど、明確に何も示さないという作風が神隠し的で個人的に凄く好み。良作でした♫

• #ホラー映画と怖い映画

数年前夫が失踪したトリシア。彼女はある日を境に夫の幻覚に悩まされる…

今ではすっかり大物のマイク・フラナガン監督の初監督作品。

トンネルと言っても高架下のあのトンネルです。
タイトル的にてっきり化け物でも出てくるのかと思ったら、夫の幻覚や虫？みたいな生物が出てくるだけです🪳

結局あのトンネルは何だったのかとか、話がスローテンポだとか、まぁ思う所もありますが、低予算にしては頑張ってる映画だと思いました。

• #虫
• #幻覚

この作品タイトルとジャケットでとても損してる。逆詐欺だ。
醸し出されるB級感に騙されちゃだめ。
良質なドラマありの予測不能なホラー。

7年間行方不明だった夫、夫の帰りを待ち続けた妻とそんな姉を心配し訪ねてきた妹、捜査担当の刑事、主な登場人物は4人のみ。
幻覚や度重なる騒動で揺れる人間関係、でもいつも根底にある夫婦愛や姉妹愛。
このドラマ部分は切なさ満載で、ホラー映画を観ていることを忘れてしまうくらいだった。

トンネルの真相にはえぇっ??となったしもう少し具体性が欲しかったものの、あの日本にもありそうなトンネルの不気味さはジワジワとくる。
もう絶対夜のトンネルは歩けない。

263/2016

• #a_discas