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ホワイトハウス・ダウンのCureTochanのレビュー・感想・評価

ホワイトハウス・ダウン(2013年製作の映画)
4.0
ホワイトハウスがやられる映画が2つ、非常に近いタイミングで公開になり、どっちも期待したほどではなかった。本作じゃないほうはジェラード・バトラーと、聞いたことない監督で、敵が北朝鮮か何かというトンデモ設定だったんだけど、そこそこよくできていたのが、公開の遅れた本作の不幸なところだ。今見ると、むしろエメリッヒ監督はよく頑張った。ダイ・ハードに似てるけど頑張った。

たぶん我々のほうが、「ID4」と「2012」に続くエメリッヒ作品として期待しすぎたのだろう。IPPONグランプリで、バカリズムだけ一本のハードルが高いのと同じだ。ミステリ要素も芝居も、結構よくできていたから、娘とゲラゲラ笑いながら楽しめた。エメリッヒの、話の運びがうまく、飽きさせない作りはさすがである。アクションの爽快感はあまりないんだけど、ベッソン系のなにがなんだかわからないカット割ではないから見やすい。

なんといっても主人公が最初に敵をやっつけたあと、ケータイを壊されたのに気づいて取る行動が最高。この場面だけ巻き戻して観てしまった。用心棒は狂犬でありたい

マギー・ジレンホールも、子役も素晴らしい。少女が旗を振ってて、それが放送されたら悪者もホワイトハウスを攻撃できない、というくだりは、もっといい感じに演出できた気がする(密かに悔しがるとか)。ジジーたちもよかった。だから芝居はいいのだ。ツアーガイドの兄ちゃんまでひっくるめて。あと悪者の奥さん!

肝心のジェイミー・フォックスとチャニング・テイタムは、バディものとして十分に面白かったのだけど、すごい平和主義者の大統領が武器を持たざるを得ないという面白さは、もうちょっと演出や演技で笑わせてほしかった。私のエアジョーダンから手を離せ!は可愛さmax、最高だったのだから。

テイタムに気があるのに最後でああいうことになる女性職員は、演技も良かったので、ポカーンとなった。しかしなんといっても痛いのはラスト、ヘリの前での芝居が「二時間ドラマの断崖絶壁シーン」として、いまいち決まらないことだ。ここに伏線の妙があったり、上記の奥さんみたいなドラマがあったりしたら映画の評価はもっと高かったに違いない。だけど私には読み取れない原語でのセリフの問題があるとしても、Rottenでの批評家スコアが50%そこそこしかないってのは厳しいな。
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