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ハレンチ学園のMOCOのレビュー・感想・評価

ハレンチ学園(1970年製作の映画)
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「山岸君助けて」
「ヒゲゴジラやめろ!」

『デビルマン』『マジンガーZ』『キューティーハニー』『バイオレンスジャック』『凄ノ王』(個人的には『真夜中の戦士』)・・・SF・バイオレンス漫画の巨匠永井豪氏が1968年『少年ジャンプ』創刊号に掲載し、その後連載となった学園コメディ『ハレンチ学園』の実写映画第一弾です。

 奇抜な衣装の教師たちと生徒たちの学園生活を描いた漫画は従来の少年誌ではタブー?だったエッチな表現がされ、PTAやTVで有害漫画として取りあげられました。

『この漫画で描かれた「スカートめくり」は全国の小学校で大流行!』と、言われていますが大袈裟に騒いでいただけで私の小学校ではそんな光景は全く(いや、一人だけいたかな)ありませんでした。

 まぁ、そういった漫画の映画化ですので、正直言って『~しながら』といった『ながら鑑賞』でなければ耐えられない映画です。

 ショートギャグの連続で構成される映画の内容は「無いよー」という感じで後半の学習旅行?からそれらしいストーリーになるのですが、ハチャメチャです。何一つ面白くありません。

 シリーズとして4作品作られたのは確実にヒットしていた証明でしょうけれども『松竹』が何故映画化にこだわったのか不思議です。

 オーディションで主人公の一人柳生十兵衛役を勝ち取った高校三年、18歳の児島 みゆきさんはセクシータレントと言われたのですが、映画の中の児島 みゆきさんはチッともセクシーには見えなくて、若さも感じられません。ケロンパ(うつみ 宮土理さんの愛称)も28歳の若さが感じられず、二人のスカートの中は、ブルマー(死語?)みたに「でっかいパンツ」で少しも過激ではありません。


校長 上田吉二郎
ヒゲゴジラ 藤村俊二
マカロニ 宍戸錠
丸越 小松方正
パラソル 由利徹
フーセン 渡辺史郎
木戸 大泉滉
甚兵衛 左卜全
警官 小松政夫
新任教師 うつみみどり
柳生十兵衛 児島みゆき
柳生宗成 (十兵衛の父)なべおさみ
柳生勝子 (十兵衛の母)ミッキー安川
山岸大八 (オヤビンの父)石井均
山岸ハナ (オヤビンの母)小桜京子
と、豪華?なキャストなのですが大がかりな学芸会でも見ているようなレベルの映画です。

 おふざけしている上田吉二郎さんを見ることができること、大ヒットした左卜全さんの「老人と子供のポルカ」と、本人歌唱ではないものの月亭可朝さんの『嘆きのボイン』を聞けるのは一つの収穫ですが、やっぱり☆は付けられないつまらない映画です。


 小学校4年の時、担任の先生の教室の机に前年度の生徒から取りあげたジャンプコミックの『ハレンチ学園』が数冊あり皆が気にしていました。
 ある日の放課後、仲良しの男の子と女の子十数人が居残り、教室で遊んでいた時、突然一人の男の子が「先生、読んでもいい?」と尋ねると「いいよ」という返事がありました。
 その頃みんな決められたお小遣いの中で週刊誌を買っていて「サンデー派」「マガジン派」「ジャンプ派」に別れていました。少年ジャンプは少しヤンチャな雑誌で私は「サンデー派」でしたから、この日が『ハレンチ学園』との初めての出会いでした。

 男の子は二人か三人で一冊の漫画を読む三組ほどのグループになったのですが、読んでいるうちになんだか下半身が変な感じになって、教室には女の子がいるし、ズボンが膨らんでいるんじゃないかって恥ずかしく思っていたら、その男の子が突然大きな声で「あぁ、オレもうダメ、オレこういうの読むとオチンチンが固くなっちゃう」って言い出して「僕も!」「オレも!」ってみんなが言い出して、その男の子が「先生、どうしてこういうの見ると『オチンチン固くなるの』」って尋ねても先生は何も答えず微笑むだけでした。

「先生、(ハレンチ学園)読んでもいい?」女の子の前で尋ねたり「オチンチンが固くなっちゃう」なんて、女の子の前で言えちゃう彼に引け目を感じた・・・『ハレンチ学園』はそんな思い出の漫画です。
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