ねこ無双

3/スリーのねこ無双のレビュー・感想・評価

3/スリー(2010年製作の映画)
4.0
『ラン・ローラ・ラン』や『クラウド・アトラス』(ウォシャウスキー姉妹との共作)のトム・ティクヴァ監督作品。
今回初めて知ったんだけど、ティクヴァ監督は自身の作品のほとんどを音楽監督・作曲・編集もされてるそう。
作曲家としての最新作は『マトリックスレザレクションズ』。

交際20年を迎えたカップル、ハナとシーモンは同棲中、子供なし。そしてセックスレスだったが、関係は良好だった。
しかし、近親者の死や自らの病という翳りに触れた最中、二人とも別の人との恋に落ちてしまう。
だが、二人が恋に落ちた人物はアダムという同一人物だった。三人はまだそれを知らない…。

セクシャルなシーンも多く、三角関係というもつれた関係を描いているのに、とても落ち着いた雰囲気の映画。
ところどころスプリットスクリーンで三者三様の生活を同時に見せる編集だったり、音楽の持つ雰囲気でじめじめした感じにはならない。

3人の関係はやがて別の形に変容していくのだけど…それもありかなと感じられるのは、魅力的に描かれたキャラのおかげもあるのかもしれない。
不完全な大人が久々に恋に落ちるぎこちなさ、滑稽さがよく描かれていて好ましかった。

🐾JAIHO体験記⑧