マーティン・マクドナー監督作。
『スリー・ビルボード』(2017)でアカデミー賞を制したマーティン・マクドナーの長編初監督作品で、監督最新作『イニシェリン島の精霊』(2022)のコリン・ファレル&ブレンダン・グリーソンの初顔合わせとなっています。
ベルギーの古都ブルージュを舞台に、相棒の殺し屋レイを暗殺するようボスから密命を受けたベテランの殺し屋ケンの葛藤と決断を描いたサスペンスで、気の合う相棒同士でありながら非情な暗殺命令によって関係に揺らぎが生じた二人の殺し屋と彼らに業を煮やしブルージュに自ら乗り込んできた冷徹かつ殺し屋の掟に忠実なボスとの攻防のゆくえを古都ブルージュの旧市街を背景にユーモアを交え映し出しています。
子供を殺した罪悪感に苛まれ続ける新米の殺し屋と彼の良き理解者であるベテランの殺し屋との友情と絆を、バイオレンスとユーモアの絶妙なバランスの中に魅せた風変わりな殺し屋映画で、二人を追い詰めるボスに扮したレイフ・ファインズの狂犬的立ち回りも見物となっています。