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ゼロ・グラビティのBeSiのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
5.0
好きで何回も観る映画って少なくないと思うんですよ。(唐突) 自分の場合は「インターステラー」「時計じかけのオレンジ」「ムーンライト」とかなんですね。でもそれって知らず知らずのうちに何回も観てる現象が起きてる事があるのではないかと。"あれ?これ前にも観たような....。"
"これはかなり面白かった記憶があるような....。"といった具合に。何が言いたいかというと今作「ゼロ・グラビティ」もついに "好きで何回も観る映画" のひとつに新しく加わったという事です。ちなみに観るのは6回目笑笑 前フリ長くて申し訳ない🙏 レビューへ行きましょう笑

60万キロメートル上空。スペースシャトル「エクスプローラー号」にて船外活動を行っていた船員たち。しかし突如発生した突発的な事故により船員の1人であるライアンは絶体絶命の状況に陥ってしまう。果たして彼らは無事地球へ還る事が出来るのか。
宇宙の暗闇を生き抜け_______。

冒頭10分の長回しから始まる本編。序盤からキュアロンらしさ全開。壮大に広がる宇宙の美しさには酔いしれます。そしていいバランスで組み合わさった開放感と緊迫感。最高。宇宙の怖さを存分に体感出来る。滅茶苦茶に怖い。"宇宙飛行士なら冷静かつ臨機応変に危機的状況に対応しなきゃ" と言っていた友人に "じゃあお前が彼女(主人公ライアン)の立場に立って考えてみろよ👊"と言いたくなるほど、船員たちの体験した怖さは尋常ではない。何度も言うが、本当に怖い。
しかし彼らについて回るのは怖さだけではない。"寂しさ"も____いや、むしろそちらの方が大きいのではないかと推測する。愛する娘を失った主人公ライアン。宇宙に独り浮遊する自分の姿は地上にいる人間からは勿論分からない。何をしていようが地上から見える景色の中に自分たちは映っていないし見られていない。しかし唯一自分の姿を見てくれている人がいる。それは親しき仲間、そして何より、愛する我が子。遭難した先のISSにて無線が拾った音声。そこには男性の声、犬の鳴き声........赤ん坊の鳴き声が。今に至るまでずっと思いを馳せ続けた存在。自分の心の拠り所であった存在。あまりに愛おしかった存在。我が子の存在意義を改めて知った時どんな事を考えるだろう。母として、1人の女性として。そう考えながらライアンを見ていると涙が止まらなかった。サンドラ・ブロックの最高の演技に拍手を贈りたいです。アカデミー賞7部門受賞を果たした今作は、アルフォンソ・キュアロンの完璧に等しい傑作。素晴らしい。
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