真っ黒こげ太郎

スノーホワイト・デッドの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

スノーホワイト・デッド(2010年製作の映画)
3.7
…とうとう悪名高い「DEEP RED」レーベル作品に手を出してしまった…。

まぁ、本作はまだマシらしいので借りたんだけどね…。



例によって例の如くゾンビによって荒廃した世界。

田舎町で生きた人間を殺し、とある老夫婦にバラバラにした死体を配達し、報奨を受け取って生活していたマットとエド。

しかし、老夫婦が町を出ていくと聞き新しい生活を初めようと言うマット。
そんなある日、とある映像に移っていた女性に惚れていたエドは一人マットを残し行方をくらませてしまう…。



ゾンビによって荒廃した世界で暮らす人々を2人の男のドラマを主軸に描いた、オムニバス形式なホラー・ドラマ。

やたらヤバそうなZ級を配給し続ける、JVD&「DEEP RED」レーベルの作品ですが、何故か本作は割と褒める声が多かったし(無論、駄作だとの声も多し)、「DEEP RED」レーベルの幾つかの作品に興味があったので、覚悟を決めて観てみました。


…確かに面白い訳じゃないけど、そこそこは面白く観れましたよ。


確かに、映画自体は自主制作レベルの超低予算だし、ゾンビメイクも安っぽい、吹き替えも素人レベル。
(残酷表現も暗さで誤魔化してる感が半端ない。)
お話の主軸は分かりずらいし、お話の粗も探せば山のように見つかる。


ただ、意外にも人間ドラマがしっかりしていて退屈せずに観れるし、荒廃した世界観は低予算ながら以外にもちゃんと演出できている。

主要人物も一見普通に見えるが、「荒廃した世界で狂ってしまった」感がしっかり描けているのは感心した。
老夫婦の死体配達の目的、異常な光景の中で人妻を寝取る男、CM用のビデオテープの女性を妄信する男など、皆が「何処かしらこの世界で狂ってしまっている」のをちゃんと描いていたのは感心した。

ただ、後半になるにつれて話の粗が浮き彫りになってきてしまうのが残念でした。
特に、最後のチャプターは正直蛇足気味。
あのまま静かに終わらせれば良かっただけに、あの騒がしいラストがやや蛇足に移ってしまった。
(まぁ、冒頭で伏線貼っていたからしょうがないのかもしれないけど…。)


まぁ、正直ショボい上に地味な内容だし、荒削りな部分も多い。
真っ当なホラー映画期待したら大火傷は確実だが、この手のインディーズ系の映画にしては、割とちゃんとした出来じゃないでしょうか。
俺は結構良かったと思うぞ。

とりあえず監督さんはそれなりに才能あるんじゃないかな。
真面目な作りにも好感が持てるし。