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パトリオット・デイのYYamadaのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.9
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈ボストンマラソン爆弾テロ事件【1】〉
 ~事件後102時間の逮捕 / 2013年4月
・場所: アメリカ/ボストン
・人物: ボストン市民、市警、FBI

〈見処〉
①臨場感溢れるリアルな追跡描写
・『パトリオット・デイ』は、2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の発生から102時間で犯人逮捕に至った顛末を描く、2016年製作のサスペンス映画。
・タイトルの「パトリオット・デイ」(=愛国者の日)とは、マサチューセッツ・メイン・ウィスコンシンの3州が4月の第3月曜日に制定されている祝日であり、ボストンマラソンが開催日でもある。
・本作の舞台は、2013年4月15日。ボストン警察の殺人課に所属する刑事トミー(マーク・ウォールバーグ)は、 「パトリオット・デイ」に開催されるボストンマラソンの警備にあたっていた。50万人の観衆で会場が埋め尽くされる中、トミーの背後で突如として大規模な爆発が発生。トミーらボストン警察の面々は事態を把握できないまま、必死の救護活動を行なう。
・現場に到着したFBI捜査官リック(ケビン・ベーコン)はテロ事件と断定、捜査はFBIの管轄になるが、犯人に対し激しい怒りを抱えるトミーは、病院に収容された負傷者たちから丁寧に話を聞いてまわり、やがて、監視カメラに映っていた「黒い帽子の男」と「白い帽子の男」が容疑者として浮かび上がる…。(eiga.comより抜粋)
・本作はするマーク・ウォールバーグ扮する架空の刑事トミー・サンダースを通じて、物語は進行するが、実際の事件映像の挿入や、ハンディカムを効果的に活用したテロ事件直後の緊迫した描写など、ドキュメンタリーに迫るような、非常にリアリティーの高い作品に仕上がっている。

②3度目の「Wバーグ」
・本作は『ローン・サバイバー』(2013)、『バーニング・オーシャン』(2016)に続き3本目となる、監督ピーター・バーグ、主演マーク・ウォールバーグの「Wバーグ」作品。
・また、本作の舞台となるボストンの貧しい家庭出身で、犯罪行為などでボストン警察に25回も世話になったというウォールバーグにとっては、『ディパーテッド』(2006)以来のボストン警察官役となっている。
・ピーターバーグにとって、マークバーグは「ストレスやいらだちを覚える相手ではなく、幸せを感じ、笑いあえて、考えさせられる人間」と揺るぎない信頼関係を口にしている。
・2018年には、コンビ4作目「マイル22」を製作。「Wバーグにハズレなし」の評判を得ている2人にとって、本作が最高傑作とする評価が多い。

③結び…本作の見処は?
◎: 非常にリアリティ溢れる作品描写。特に、人体の欠片飛び散るテロ場面や、後半部の夜の住宅街における銃撃戦の臨場感はスゴイ。
◎: FBIとボストン警察による捜索シーンは、どれも印象的。とくに『ドッグヴィル』のように巨大倉庫にテロ事件の現場を再現するシーンや、犯人妻に対する尋問シーンは他作品では味わったことのない必見場面。
○: アメリカの愛国心が伝わる作品。
▲: 爆破事件までが長く、睡魔との戦いが脅威。
▲: ラストの被害者本人へのインタビューに間延び感あり。作品鑑賞の興奮が覚めてしまう。エンドロール後のドキュメンタリーにしたら別作品になるのでダメだった?
▲: JKシモンズ登場シーンに「ネタ仕込みあり」と聞いたことがあるが、何度見てもわかりませんでした。。
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