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ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパートのmazdaのレビュー・感想・評価

3.2
NY、マンハッタン世界に一つの超高級デパートを、著名なファッショニスタ達が語るドキュメンタリー。カールやアナはもはやこの業界ではずばぬけた存在だから映画から雑誌までなんの特集にしてもそこら中にでてくる人物だけど、その2人を除いてもすごい豪華な業界人の出演。今まで私が見たファッションムービーのメンツとしてはたぶん1番豪華だった。
NYのデザイナーなら誰もがバーグドルフに自分の服をおくことを憧れるという。『バーグドルフでの出店は、品質保証シールと同じ』バーグドルフに自分のブランドを置くために、他の店での出店を諦め、手紙もメールもコレクションの招待も全て無視されても何年も出店を待ち続けるハイブランド達。バーグドルフがどれだけすごいかまったく知らなくても、見てるうちにその語りから強い説得力を感じ、その偉大な影響力に圧倒される。
ファッションが好きかどうかという以上に、バーグドルフ愛に詰まった映画なので、人の好きなものを延々と聞かされてる感覚。私は退屈だとは思わなかったけど、作り手と観る側に圧倒的な溝を感じるので、置いてけぼりになってもしかたない感じがする。
基本的に洋画は字幕じゃなきゃ嫌だし、吹き替え派の意見でよくある目で文章を追い続けるのが疲れるというのもほとんど感じたことがないけど、本作は字幕が縦横左右にあまりにランダムにでるせいでとても93分の映画とは思えない目の疲労感があった。笑

ファッションって何より視覚から入るものだと誰もが思うけど、そうではない。そこに歩み寄ってくれた人、その服を手に取ってくれた人、好奇心を向けてくれた人、自分のブランドがターゲットにするような客ではないとしても、訪れた人を接客する、そういうのをおもてなしと言うのだろう。それが『本をカバーで判断するな』の意味だと思う。いい言葉。
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