翔海

LIFE!の翔海のレビュー・感想・評価

LIFE!(2013年製作の映画)
4.1
“世界を見よう 危険でも立ち向かおう 壁の裏側を覗こう ”

ウォルターは「LIFE」誌のネガを管理する仕事を長年続けていた。彼の人生は冒険とはかけ離れたものがあったが、たまに出る空想癖では登山家や街を救うヒーローにだってなれた。そんな彼が働く「LIFE」誌が長い歴史に幕を閉じることが決まり、最終号の制作を急いで取り掛かっていた。社長の意向により最終号は25番ネガを使って欲しいとなっていたが、写真家ショーンから送られてきたネガの中の25番だけが欠けていた。写真家ショーンへの連絡手段は無く、焦るウォルターは壁に飾られたショーンの写真に手招きされるようにグリーンランドへ向かう。

消極的だったウォルターを変えたのは行動と勇気。
写真家を探しにその時の決断から飛行機に飛び乗ったウォルターの行動は色々な重責を抱えても仕事を全うした男の勇気ある行動であった。17歳で父を亡くして、すぐに働かなくては行けなくなったウォルターはこの写真家を探す旅を通して、プロフィールには書ききれない程の冒険をしてきた。飛行機から海に飛び込んだり、海でサメと戦ったり、ヒマラヤ山脈を登頂したり、まるで彼は冒険家のように。旅行というものは人を成長させる為のスパイスだと私も思う。初めてこの作品を見たのは高校生のときで、画面に広がる絶景に息をのみ、私も旅に出てみたいと思わされた作品だと覚えている。

「LINE」誌の社訓に“世界を見よう 危険でも立ち向かおう 壁の裏側を覗こう もっと近づこう お互いを知ろう そして感じよう それが人生の目的だから”という言葉がある。
行き詰まった人間は視野が狭くなり世界のほんの一部しか見えなくなっている。世界は私たちが想像するよりも広く、自分が抱える悩みなのど地球規模で考えれば些細なことに過ぎないと分かるはず。初めてこの映画を見たのは高校生のとき。画面に広がる絶景に私も旅に出たいと思い月日は流れ。つい先日、私は一人旅に出た。広島の尾道から愛媛の今治を繋ぐしまなみ海道を自転車で渡り、愛媛から香川に3泊4日の旅をしてきた。初めて一人で乗る飛行機は心細かったが期待で胸は踊っていた。尾道から自転車を借りてしまなみ海道を走ってきた。自転車から見る瀬戸内海の景色は画面上で見る何倍も美しかった。画面で見た景色は旅の気分を味わえるが、本当に見た景色に敵うものはない。私の小さかった世界はこの旅で少し広がった気がする。
翔海

翔海