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フィルスのkuuのレビュー・感想・評価

フィルス(2013年製作の映画)
3.7
『フィルス』
原題Filth.
映倫区分R18+.
製作年2013年。上映時間97分。

『トレインスポッティング』の原作者でもある作家、アーヴィン・ウェルシュの小説を実写化した英国産クライムコメディー。
ジェームズ・マカヴォイが、下劣を絵に描いたような主人公を怪演。
次々と繰り出されるブラックでシニカルな笑いに加え、ジェイミー・ベルやジム・ブロードベントといった実力派たちの共演にも魅了される。

頭脳明晰やけど、酒や麻薬に溺れちまい、あらゆる不正行為を働くポリス(刑事)が、留学生殺人の捜査に乗り出したことから思わぬ事態に遭遇する。

スコットランドポリスのデカ(刑事)、ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカヴォイ)。
優秀な頭脳を誇り、活力あふれる彼やったが、その裏ではアルコールとドラッグの依存症に陥り、売春や不倫に手を出し、残業の不正申告を欠かさないちゅう、なんちゅうデカなんや。
ポリスの風上にも置けない人物。
そないな中、日本人の留学生が殺されるちゅう事件が発生。
目撃者ゼロ、NEWS ZEROは欠かさず観てる(関係ありません🙇‍♂️)という、
この難事件を解決すれば出世コースに乗れると張り切るブルース。
捜査を進めれば進めるほど自身の問題アリな過去も噴出するようになり、精神的に追い詰められていく。。。

かなりイカレタ映画。
日本でも一昔前やと、丸暴(『マル暴』とも書く。暴力団の『暴』を丸で囲ったことから、暴力団対策を担当する警察内の組織や刑事のこと。警察関係での隠語関係ないけど、暴力の暴と威力の威で暴威BOOWY)には、こんなん一杯おったやん。
まぁ、どこの国にもおるやろとは思えるが、主人公ブルース・ロバートソンは頭がキレて、渋メンやしモテる。
イケてる刑事(デカ)として登場。
せやけど、実は頭の中は頭蓋に飛び回る蠅のように、奥さん(キャロル)が望む『出世』の事。
ライバルを蹴落とすのもお構いなしの貪欲さと執念で、警部へカウントダウン。
順風満帆に見えてる生活なんやけど、昇進の為やと仲間もを裏切り、罠にはめる、将に一昔前の日本のマル暴さながら。
最低な野郎。
高級な酒は己についで、ツレにはクソ酒をつぐドケチ。
ロック(英:crackドラッグのことね!)もキメ放題。
既婚の上同僚の奥さんもハメ放題で終わっとる。
キメ放題、
    ハメ放題、
何でもヤリ放題。
    とんでもない『クズ』
👆️ガタガタをイメージ。
を観られんのが今作品の魅力っす。
しかも、ジェームズ・マカヴォイのクズ役(あ!映画『スプリット』でもクズ役やったかな)その点で最高に楽しい映画す。
クズここまでヤリ放題やと清々してきて笑えるワッハッハ。
とは云え、話は、段々笑えへんようになってくるしまぁ巧いかな。
捜査の行き詰まり、ロックの幻覚なんかでブルースの精神はボロボロボローニャのパンは美味しいよ!
ロック(薬物)と名前のブルースって、音楽のロックンロールのロックとブルースとややこしい。
崩壊していくん。
ほんで、とうとう"女装癖"がバレちゃう。
自分の妻(キャロル)にマネて女装しとんのがっつ!
余談ながら、中国の歴史に名を残す呂布は、歴史上最もメジャーな女装愛好家として知られとる。
たとえ、彼が女装した姿がどんなに可笑しくても、絶対に笑っちゃあかん。なぜなら、
『呂布に立ち向かってはならない』って云うから。
呂布事態実際の姿はしりませんが🙇‍♂️。
しかし、映画の主人公は笑っちまうほど滑稽やけど、何故かシリアス。
実は順風満帆のような人生は、すでに終わってた。
奥さんが家を出たショックで女装し、心の埋めようとしてた哀しい野郎やったん🥺。
ほんで、男の子の幻覚が現れては彼を苦しめよる正体は、チッチャいとき死んでもたブルースの弟🥺。
自分より大切に育てられた弟への嫉妬から、彼は弟を死なせてしまってん🥺。
赦されへんクソ野郎やけど、ブルースをたまらなく好きになってもた。
彼の深層心理には、ただ愛されたいっちゅう思いがあがあるってわかったし、共感出来たなぁ。
実を結ばへん思い。
原因は、ただ彼が『愛し方』てのを知らへんからやねんなぁ。
昇進すりゃすべて上手くいくと思っとるけど、実際そうかなぁ。
奥さんが出てったのは、彼の階級からくるもんなんなかぁ。
ガキの頃に弟への愛し方を学び実行でけてたら、人生は少なくともこんなんになってなかったはず。
悲劇は、人を愛せなかった事って、なんか自分に云ってるみたいで胸が痛い。
ホンのちょい悲しくなる。
汚物、
  薬、
   エロに加え、
       煙草の煙とヤニ、
ビックマグナム黒岩先生ナニをコピーするネタ。
卑猥なこと、差別用語も野村満載ですので、その点を十分に留意した上でご鑑賞下さい。
kuu

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