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ゆるせない、逢いたいのminorufukuのレビュー・感想・評価

ゆるせない、逢いたい(2013年製作の映画)
3.6
交際中の男女が、合意のないまま無理やり性交に至る「デイトレイプ」を主題にした作品。
前から観たいと思っていたのだが、いきつけのビデオ屋にはなくNetflixでようやく鑑賞。

過保護過ぎる母親の二人で暮らす高校生のヒロインが、引っ越し先で古紙回収業者の男性と恋に落ちる。ゆるやかに交際を始める二人だが、ふとしたきっかけで音信不通になり、再会した際に男の方が思いあまって…という内容。でも、男性側の描写は薄くどちらかというと母娘の物語が大部分を占める。

事件後、ヒロインは彼氏への愛憎入り混じった感情を抱え、傷つき悩み苦しむ。主演の吉倉あおいの素直で瑞々しい演技が素晴らしい。
ヒロインの母親が過保護でものわかりの悪い人物として描かれていて、事件後は娘に秘密で裁判を起こすなど暴走するのだが、大切に育ててきた娘を想う気持ちがひしひしと伝わってきた。やがて、娘の方も本音で母親とぶつかるようになり、母娘の絆か深まっていく過程はじーんときた。

お互い好きあっていた2人が被害者と加害者になる設定はずしりと重く感じ、見応えがあった。

難点は、ヒロイン立ち直るきっかけとの一つとなる、親友との交流の描写があまりに薄くて、いきなり仲違いしていきなり仲直りな印象を受けるところかなあ。
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