タケオ

her/世界でひとつの彼女のタケオのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.8
手紙の代筆ライターとして働く不器用な男セオドアと、人工知能型OSサマンサの恋の行方を描く本作は、第86回アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ脚本賞を受賞し、第8回ローマ映画祭ではサマンサ役のスカーレット•ヨハンソンが声のみの演技で最優秀女優賞に輝くなど多方面から高い評価を得た。

人工知能と人間の交流を描く作品は数多く存在するが、暴走して世界を滅ぼそうとしたりと批判的な視点から描かれることが大半である。

しかし本作は、人工知能と人間の交流は人間と人間の交流となんら変わりはないといったスタンスで物語が進行していく。その変化球具合がなんとも絶妙で、本作を個性的かつ奥深い作品へと押し上げることに成功している!

人と出会い、愛し合い、すれ違い、そして別れていく。

そんな1秒1秒ゆっくりと、しかし確実に進んでいく世の中で、誰かと関わり合うことの温かさ、そして切なさを濃厚に描き出す‼︎

鑑賞後の不思議な余韻が味わい深い意欲作だ。
タケオ

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