大友克洋、梅津泰臣、北爪宏幸、北久保弘之などが参加したオムニバス映画。ロボットを題材にした7本の話。

錚々たる面子で送る古き良きアニメ映画でした。さすがにこれだけの製作陣が集まっているだけあってどのエピソードも作画が素晴らしかったです。地味に音楽を担当しているのが久石譲だったのも今作のポイントだった気がします。ストーリー自体は性癖を発揮した梅津泰臣のプレゼンスと、実家のような安心感がする北爪宏幸のSTARLIGHT ANGELが良くて、それ以外は普通かやや退屈しました。先日鑑賞したヘヴィメタルも同じくSFオムニバスアニメだったけど、あちらの方が今作よりも全体的にレベルが高かったです。

古き良き日本のアニメや、今作を監督した人物の中で一人でも好きなアニメーターがいる人は楽しめる作品だと思います。

若手アニメーション作家の夢の競演という意味ではウォシャウスキーの『アニマトリックス』なんかにも近いオムニバス集になっている。今観るとバブリーで中身空っぽな話も多く「８０’sだなぁ〜」っていう寒い印象も受けるが。

10年代に入ってtofubeatsというアーティストが如何にもバブリーな８０年代らしいポップなテイストを曲やジャケットワークにぶち込んでいたが、まさにああいったノリ。OPとEDだけ大友克洋が担当している。他は森本晃司や中村たかしや北久保弘之といった当時の若手アニメーター。

江戸時代を舞台にしたスチームパンク活劇(『明治からくり文明奇譚〜赤毛人襲来之巻』)ってやつが一番ストーリー性が明確で良かった。他は別に…。(笑)

ロボットをテーマとした短編集のような作品でした。

今ではとんでもないアニメーターの方々が、80年代にこんなオムニバス作品を作っていたという衝撃。


当時ならではのヒーローもの？や単純な冒険活劇的なエンタメ作品もあれば、戦争などの物悲しい作品に、非常に難解な作品も多かったです。


80年代当時ならではの、まさしく「大人のアニメ」という感じでした。
それぞれの監督さんが作りたいものをそのままぶつけた様な作品ばかりでかなり見応えがありました。
セル画なのは当然なんだけど、作画がどれもエグい。
人の動きがこれでもかと描写されていて、当時のアニメ作画の繊細さと緻密さが心地良い。

個人的な推しは
「プレゼンス」

枯れたおじさんとロボットの少女の歪な関係がなんとも不気味で美しい。
最後の壊れてしまったロボットに、凄まじい拘りと哀愁を感じました。


この作品群はロボットが大きなテーマだとは思うけど、もう一つのテーマとして「破壊」があると思う。
どの作品も何かしらの破壊が含まれてるし、どの作品の破壊も部品一つ一つが細かに作画されていて、まさに芸術だと感じました。

人が作った物が壊れる時は、悲しくもあるけど、同時に美しさを感じる。
その作品にどれだけの年月をかけたのか。どれだけの人が関わっているのか。
どれほどの部品が使われているのか。

それを描写するほどの圧倒的な作画の暴力。

短編なので案外サクッと見れます。
オススメ！