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300 スリーハンドレッド 帝国の進撃のYYamadaのレビュー・感想・評価

3.2
【連続鑑賞のススメ】300②

◆連続鑑賞の理由
・上半身裸の容姿が似通い、
 連続鑑賞しないとキャラを忘れがち
・史実を押さえ、一気通貫で鑑賞したい

〈見処〉
①前作同時期の「海戦」を描く
・『300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜』(原題: 300: Rise of an Empire)は、
前作のヒットによりフランク・ミラーが執筆を開始した、当時未出版のグラフィックノベル『Xerxes』を原作とした、アクション作品。
・時は紀元前480年、スパルタのレオニダス王が300人の精鋭で100万人のペルシア帝国軍と戦っていた頃、神王クセルクセス一世を傀儡とするペルシャの海軍女指揮官アルテミシアは、自身が出生し、激しい復讐心を抱くギリシアを壊滅させようと進撃を開始。
・スパルタと同様に、ギリシャのテミストクレス将軍も自由と平和を守るため、同胞達と3倍に及ぶペルシャ軍との戦いに乗り出すことになる…
・本作では、前作監督のザック・スナイダーは『マン・オブ・スティール』監督のためプロデュースにまわり、CMディレクター出身の新鋭・ノーム・ムロがメガホンをとっているが、フランク・ミラーの原作さながらの劇画調作風は本作でも健在である。
・また『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)で、ボンドガールを演じたフランス人女優エヴァ・グリーンが、激しい性描写を含む熱演が話題になった。

②ギリシャの小都市国家
本作に登場する「サラミスの海戦」はペルシア戦争の終結につながった史実であるが、前作以上に歴史歪曲なストーリーが進行。それでも、当時の時代背景を押さえ本作を鑑賞したい。

・エーゲ海とイオニア海に浮かぶ数千の島々を擁するギリシャでは、紀元前8世紀頃から、いくつもの独立した都市国家(ポリス)を形成。なかでも「アテナイ」と「スパルタ 」という2つの都市国家(ポリス)が有力であった。
・アテナイでは、18歳以上の男子の市民による直接民主政治(デモクラチア)が行われ、商業が発展。 スパルタでは少年期から厳しい軍事訓練により、軍事国家として君臨していた。
・本作の舞台となった紀元前5世紀には、アテナイのアクロポリスの丘に「パルテノン神殿」が438年に完工。本作の後の時代となる、紀元前4世紀には、北方のマケドニアの アレクサンドロス大王により、ギリシャ各地のポリスが統一。このときに、オリエントとギリシャの文化が交わって出来たのが「ヘレニズム文化」である。

本作で登場する「パルテノン」など、微妙に時代に合わない描写は多々あれど、学生の時に習った時代がまさに本作の舞台である。

③結び…本作の見処は?
○: 陰影の強いスペクタクルな描写は健在。
○: アテネのパルテノンなど、歴史的遺物の描写も、前作に勝る。
○: (好みの方にとって)エログロ描写は、前作を上回る。
▲: 前作登場キャラの続投は、スパルタ王妃と将軍、ペルシアの神王のみ。少々味気ない。
×: 本作の主人公テミストクレス演じるオーストラリア人俳優のサリヴァン・ステイプルトン。魅力もバリューもジェラルドバトラーに大きく及びない。
×: 「多勢に無勢」感が弱く、共感を得られ辛い。
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