レッドファミリーを観ました。
この映画、題名で損してますね。
なんの映画かわかりませんし、これからの人生で題名言われてこの映画のことすぐ思い出せる自信ありません。
ただ北朝鮮のことを「アカ」と呼ぶのですね、それでレッドファミリーなんですね、観ているうちに何とか分かりました。
あらすじは、幸せな暮らしを送っているかに見えるが実は北朝鮮工作員である擬似家族と、その隣人であるケンカの絶えない韓国人家族。
対照的な2つの家族の交流をコミカルかつスリリングに描くことで、現在の朝鮮半島における問題を浮き彫りにしていく、、、
というもので、我々、平和ボケした日本人には理解しがたい描写が出てきて、ヘタしたらこれはコメディ映画か？となります。
外では家族で家の中では「同志」「隊長」と呼び、そのやり取りが最初はコントみたいに見えます
しかし、多ければ毎日のように指令がきて、彼ら疑似家族が任務を遂行する姿と、時には何の罪もない（と思われる）市民の暗殺に躊躇う姿を見るうちにコント色が薄れていきます
この監督さん、長編初めてらしいですが、なかなか良い映画に仕上がっています
特に隣り家族との対比が上手いです
喧嘩ばかりだけど本音でぶつかり合う隣り家族と、仲良さそうに見えて本音でぶつかり合うことはしない、できない、感情を表に出せない疑似家族
そんな彼らに本当の家族のような感情が芽生えてきて、工作員としての葛藤や良心の呵責に耐える姿に、観る側は「何とか彼らに幸せになってほしい」と感情移入します
最後、ちょっとしたら勘違いから思わぬ事件を引き起こす彼ら
ラストシーンも見事です
工作員も人間で、任務に失敗した工作員を追う工作員も人間、誰もが人間、誰しもに家族がいて、誰もが幸せになる権利がある
何のために生きるのか
工作員にされた者たちの悲しみが伝わってきて、胸に刺さります
日本にも工作員っているんですかね
ホント、いくら無知でも、北朝鮮は何がしたいねん、と腹立たしく思います
ちなみにこんな風に北朝鮮を悪く描いて、この監督さん、それこそ工作員に暗殺されないんですかね？
そんな心配をしてしまう映画でした
個人的には85点です
