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トム・アット・ザ・ファームのBeSiのレビュー・感想・評価

4.7
鮮烈なデビュー作「マイ・マザー」で大躍進を遂げた若き天才グザヴィエ・ドラン初体験という事で今作初鑑賞。この作品を観て自分は彼のセンスに惚れる事となった。ゲイである主人公トムが、恋人を亡くしてからの物語を描いているわけだが......これはもしや傑作か。いや、鑑賞開始5分で既に確定している事実なのかもしれない。静寂のなかで少しずつ顕になる、人間に潜む本性、狂気、嫌悪。恐ろしい。終始鳥肌が立っていた。そしてもうひとつ注目すべきは、撮影手法。ただでさえ閉塞感溢れる場所を、画角を狭くする事によってその数秒間に、観る者に言い知れない不安や恐怖を与えている。これは「Mommy/マミー」への先駆けとなっているのだろうか。今回初体験初鑑賞で、身に染みてドランの魅力を感じる事が出来た。この作品は、彼の天才ぶりを知るうえでとても重要になってくる一本。おぞましく、形容しがたい傑作。他の作品も、是非ともClipしておきたいものだ。
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