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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のminorufukuのレビュー・感想・評価

3.8
宝クジ100万ドル当選の詐欺通知を信じた痴呆気味の老人と、その息子が車で3日はかかるネブラスカまで遠く旅をするというロードムービー。モノクロ作品。

序盤はボケて周囲に迷惑かけまくるくせに、頑として自分の主張を曲げない父親がとにかく不快で、レビューで0点つけよう!と思って観ていた。

しかし、旅の途中で立ち寄った父親の故郷で、息子がそれまで余り知らなかった父親のことに触れて、静かな心の交流が始まるあたりでウルウルしてきて、ラストでは号泣だった。

本当は優しくて頼まれると断れない不器用で職人肌という辺りが僕の他界した父親に似ていて、生きていたらこの映画のような場面に出くわすかと思うとしんみりしてしまった。

宝クジ当選を信じて急に親戚が集まって、金をせびりに来るくだりが本当に醜い。
そんな親戚たちを、気が強くて文句ばかり言っているこれまた不快な母親が、啖呵を切って黙らせる場面は爽快^_^

最後の息子の行動が優し過ぎてもう最高。陳腐な表現だが、この旅で親子はお金以上のものを得た気がする。
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