タケオ

ラヴレースのタケオのレビュー・感想・評価

ラヴレース(2013年製作の映画)
3.4
きっと世に生きる健全な男性諸君なら当然の如く知っているであろう総収益約6億ドルを記録した伝説のポルノ映画「ディープ•スロート」の主演女優リンダ•ラブレースの半生を描く伝記作品。

主人公リンダ•ラブレースに「マンマミーア!」のソフィ役や「レ•ミゼラブル」のコゼット役で純粋かつ天真爛漫なイメージを築き上げてきたアマンダ•セイフライドを起用するという大胆なキャスティングがなんとも絶妙だ。

ヌードも辞さない体当たり演技と彼女の持ち前のキャラクターが、スターダムにのし上がった人気女優としての表の姿と、恋人からの暴力や売春に苦しみ続けた裏の姿の2つを見事に表現している。

しかし、本当に胸糞悪いなぁ〜。

家族、友人、同業者と様々な人に救いを求めながらも、彼女を人気ポルノ女優として見る人々の色眼鏡はSOSを読み取れない。

性的に搾取される女性の苦しみや葛藤と、それを気にせず自らの欲望を満たそうとする男の醜い傲慢な本性を叩きつけられ、心の底から湧き上がる遣る瀬無さに強く打ちのめされる。

今側にいる誰かの笑顔の裏にある涙を考えさせられる、伝記映画としてはなかなか良くできた作品ではないでしょうか?
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