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フルートベール駅でのminorufukuのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.7
2009年の元旦に、黒人の青年が無抵抗のまま警官に射殺された実話をもとに、彼の最後の一日を追った作品。

射殺場面の現実の映像から映画は始まる。元旦の駅構内、衆人監視の中、事件は起こる。この映像は今でもYouTubeなどで見ることができるらしい。冒頭から心臓鷲掴み。

そこから大晦日の朝に場面は移り、事件が起こるまでは青年の何気無い日常が描かれる。
彼はけしてできた人間では無かった。前科者で、仕事は寝坊を繰り返してクビになり、麻薬の売人をしている。それでも家族や幼い娘のために自分を変えようともがいている。
そんな青年の人生が一瞬で断ち切られてしまうところが衝撃的だった。

青年役のマイケル・B・ジョーダンが好演。ロッキーのリブート作「クリード」の主演も務めているので、これからどんどん売れそう。初めてみたのは「クロニクル」だったっけ。

でも、彼よりもお母さん役の女優さんの演技が見事! もう終盤は彼女の挙動全てが号泣ポイントでせつない。
その他、青年が出会う人々とのエピソードが、ラストのことを思うと全部泣けてくるので反則だった。

人種差別問題などに対するメッセージ性はあまり強くなく、あくまでドラマとして描いているあたりが良かった。オススメ。
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