あまのかぐや

オールド・ボーイのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

オールド・ボーイ(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

これは良いリメイクだと思いました。





オリジナルを知らずに観ると受ける衝撃、オリジナルを知ったうえで観てもなおひきつけられる展開。

韓国オリジナル版を知っているからこそ「どーすんねん、これどうやってまとまりつけんね」と、逆に気になってくるようにシナリオが巧妙に付け足されている。やられたわ。

エリザベス・オルセン演じる、ヒロイン・マリーの職業を、貧困者向け無料診療のドクターにしたことで、ジョーとの出会いや結びつきを必然としたみたいな口頭説明がラストでさらっとありました。
けど、出会ってしまう恋に落ちてしまうところまで、実は線がひかれてたという不気味さ、オリジナルの「こ、これは反則ですやん」と思った催眠術設定をばっさりカットしてました。やはりあれが不気味さとラストの雪原のシーンの「ぐあああ」っと押し寄せてくるやるせなさを増幅させてたんだな。なきゃないで物足りない。

(わたしは最初、黄色い傘と、出ると切れる携帯の着メロがなにかのスイッチかとおもいました)

話の内容はおもいっきりダークですけど、それでもオリジナル版と比べて乾いた感じがするのは、仕掛け人の背景の「タブー感」からくるものでしょう。

ジョーの母校にたどり着き、夜の温室が出てきたときは、お?と一瞬身構えましたが。サイコパスでカリスマ嗜好、上流家族の歪んだ愛?美学?というのもアメリカ的でさばさばしてませんか?血縁ゆえの昏い禍々しい禁断の匂いのようなものはあまり感じられなかった。

ラストは完全に別物。アメリカ流おとしまえと韓流おとしまえの違いに唸らされた。考えてみれば、米国版のほうはジョシュ・ブローリンによく似合い、オリジナル版はチェ・ミンシクの風貌に似つかわしいラストシーンだったな、と思いました。甲乙つけがたし。

「オールドボーイ」といえば!の見せ場、ジョーvs下っ端の金槌バトル。このシーン米国版もやりたかったんだろうなぁ。というようなリスペクトが感じられましたが如何せん銃社会アメリカで角材vs金槌てのはどうかとおもうわ。

サミュエルLジャクソンの胡散臭さは想定内でしたが、エリザベス・オルセンが気前よく脱いでくれてびっくりした(ぼかしが大きすぎですよ)

そうそう、やはり監禁場所と黒幕にたどり着くヒントは、やはり揚げ餃子でした!オリジナルリスペクト!ブリトーとかミートパイだったらちょっとがっかりでしたね。GJ。
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