わかめ昆布

(秘)色情めす市場のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)
4.0
「女っちゅうもんは、食いっぱぐれのないもんや」「その通りや、けっこうな世の中やで」

まずヒロインの肌荒れが妙にリアル!
こんな肌荒れマックスなヒロイン見たことない。
そして壁にもたれながら指で歯を磨きます。生活感の出し方がすんごい。

白痴の弟の欲情シーンはグロテスクでタブーすぎだし、それの前で他の男とセックスしたかと思えば弟のをこんにゃくではさんでしごいたり。
かと思えば、複雑な母娘関係で、家族というよりもいつまでも女と女。客を取られて娘にビールをぶっかけラーメンを鷲掴みぶちまける…

汚く尖った風貌だが、求めてくる男には優しく子供のように可愛がり楽しそうにセックスするヒロイン。どんどんヒロインが愛しくなる。
何をされようがびくともせず、一人で歩き続ける肝の座りっぷり。徐々に壊れていく…といった売春モノとは器が違いすぎる。超人。生まれてから死ぬまで赤線街って感じ。

酔うほどの立体的なカメラワークとモノクロは超アート。

他にも、二階から吐いたり、ダッチワイフ抱えていつまでも元カノ追いかけたり、と思ったら全員爆発木っ端微塵、指名手配犯と親しくなったり、顔にスプレーかけ回され、お尻にタバコぶっさすだの…
もう本当にとんでもない内容。規格外。とんでもないのにまとまってるからこわいし傑作。

にわとりの複雑な心境よ…

今じゃ作れない作品の一つで、当時の大阪の空気感や町並みがひしひし。超70年代。

この題材で謎に爽やかに明るく終わらせられるのは天才でしょう。ロマンポルノにはあまり触れたことがなかったが、ロマンポルノの本気を見せつけられた!芸術で戦慄だった。ホンモノは美しい。

鑑賞後、西成でゲリラ撮影と聞き、二度好きに成ってしまった作品。
わかめ昆布

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