1912年、イギリスで女性の参政権をを求めて戦った「サフラジェット」たちを描いた作品。
世界史の教科書に一文で載っているような歴史上の出来事だけれど、こうして映画として見ているととても身近になり、夫から見放されても、子供を失っても、私は参政権が欲しいかな、と考えてみる。
(欲しいだろうな、というのが答え。これは人権、そして尊厳の話なんだよね)
主人公は洗濯女でいたって普通の女性・モード。最近「プロミシング・ヤング・ウーマン」を見たばっかりだったので、最初はキャリー・マリガンが全然違う人のよう、と思ったけれど、ちゃんと後半で気の強そうな面が出てきてぐっと面白くなる。
洗濯女たちが働く工場の様子もリアルで面白かった。
ロンドンといえばの時計台の前。こうして大昔も現代も変わらない風景があるってヨーロッパならではでいいなぁと改めて思った。
モードが夫に、「娘がいたらどんな人生だろう?」って言うシーンがすごく印象的。最後のモノローグにも繋がって。
私も男性ばかりの職場で働いていて、子育てしながら働く女性として頑張ろうと思うのは、もはや自分のためじゃなくて後輩やこれから先に同じ業界に入ってくる女性のためって思うところがある。
ラストの資料映像の説得力の強さには心を動かされた。映画部分からの繋げ方がすごく上手で、資料映像部分でグッとくるように仕上げられていた。あぁこれも全て事実なんだなぁと思うと、本当に過去の女性たちに感謝と、その辛さや苦しみが少し分かる部分と、いまの私たち女性が置かれている立場と、色々なことでグッと。
良い映画を見ました。タイトルやポスターのイケてなさで敬遠せず、色んな人に見てほしい作品でした。