マサキシンペイ

ソロモンの偽証 前篇・事件のマサキシンペイのレビュー・感想・評価

3.0
原作はすごく面白いんだろうな、ということが伝わってくるし、ストーリーの演出と俳優陣の演技もかなり上手いと感じたが、個人的に「中学生」という年代の人間が苦手なので、体質的に合わなかった。

「中学生」というのは、小学生ほど可愛げもなく、高校生ほど了見もない、帯に短し襷に長しの不快感があって苦手だ。人間と動物のキメラという感じがして気持ち悪い。「嘘つきは大人のはじまり」という発想自体がもう子供でない証しであり、かつ大人でもなく、そういう感じが本当に肌に合わない。

主演の藤野涼子のまっすぐさや、板垣瑞生演じる神原和彦の聡明さも、際立っていて魅力的だったが、あくまで中学生の域を良くも悪くも逸脱していなくて、そのリアリティを保った演出で必然的に僕は消化不良を起こしてしまう。
クラスのよくわからない陰気な女子二人組の雰囲気もリアルでムカムカした。思春期の考えることは煮ても焼いても不味い。

それでも面白かったので続きが気になってしまうし、こういう気持ちになるということは、「中学生」の演出のレベルが高かったということなのだろうなと思う。
マサキシンペイ

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