このレビューはネタバレを含みます
休日の一日かけて前編後編一気に走破!ながい!
原作未読です。
う〜ん、どういう心持ちで見たらいいのかな、これ。
かなり長い小説だったような気がしますが、その要素をどれだけ盛り込んだのか。時間いっぱい盛り込めるだけ盛り込んだのか、謎要素があちこちに枝葉を広げ、とっ散らかった印象。とにかくたくさんの登場人物。
大人役にかなり有名な実力派俳優を配していますが「中学生日記」のようなパートが長くて、添え物程度のポジション。
ジュリちゃんとマツコちゃんの関係や、不良の大出くん周辺さの描写、陰湿さと現実離れした極端さがとても不快。リアルとして観るには突っ込みどころ満載だし、だからといって完璧なフィクションとして観ていればよいの悩むところです。
前にも邦画のレビューで、いじめ周辺の描写がリアルじゃなくて入り込めないと愚痴をこぼしましたが、これもそう。父親からのDVの反動から外への暴力にはしる大出くんでしたが、こんな白昼にボカスカ路上でやるもんですか?お父さんの威光で揉み消せるからといって材木屋さんとどこの癒着の話ですか?(インタビューされてた学生が“バブルで儲けた材木屋”って話してたけど、そもそもバブルの渦中にいる人はバブルなんて言葉使わないよね)80年代ってこんないい加減な感じだったのかねぇ、と納得させるしかない。
まぁでもこんな中学生の学級会の拡大版みたいな裁判に大人みんな付き合うんだから刑事さんは証拠を外部にばんばん出すし証言のために休みとるし、バスケ部顧問(松重豊)に至っては定年直前とはいえ辞表だしてつきあったり・・・やっぱりこれはフィクションとしてツッコミながら楽しく観たほうがいいのかな。うん。
裁判の準備も文化祭の準備のようなワキワキなノリだし。おいおい同級生2人死んでるんですけど。
そんななか、トラウマを潜めた優等生リョウコちゃんのおさえた演技。「中学生日記」感溢れる中で唯一の心の平安でした。おちついて観られるパートでした。両親役の夏川結衣さんや佐々木蔵之介さんと堂々と渡り合っていました。
わたしが使う「不快」というのは、ときに褒め言葉です。
不快だからこそ、先へ、もっと先へと清々しい新鮮な空気を求めて進みたくなる気持ちにさせる。
そして、不快さの裏返し、怪しさ満載の演出はよかった。
後編にまで文句なしに引っ張られます。それだけで、まずは成功じゃないかな?どこで前編を切るかによっては「後編はもういいか・・・」ってなっちゃったかも(あ、しんげきのなんちゃらの話じゃありませんよ)
特にジュリちゃんとその母の関係の目を背けたくなるようなイヤさ。
黒木華と怪演と、その上をいくお隣の市川実和子のホラー演技。
このあたりは違う映画を観ているような、まるでホラーだった。
ここで「つづく」となったあと、後編公開までどれぐらい期間があったか知りませんが、うひゃああ、ってなる。ずるい。
で、後編が別のシアターでかかっていたら迷わず駆けこんじゃうわなぁ。