まとめると、
『バットマンという等身大の対比物の登場で、むしろスーパーマンの映画的な扱い辛さがあらゆる面で際立ってしまった作品』
以下長文注意。読まなくても問題なし(笑)!
勝手に期待したらダメですねぇ〜!
個人的にはイマイチでした!すんません!気になった点を、大事なものから順に3つ挙げます!
①“結果的に見ると、登場人物達の行動原理が弱い。もしくは分からない”
『何を正義とするか』という価値観は、その国の状況や時代性を象徴するものだと僕は思っていて、ヒーロー映画が好きなのは それが分かり易く反映されるからです。
本作で提示された、スーパーマンの持つ『巨大過ぎる力の是非』と、バットマンの考える『人間目線での正義の在り方』のぶつかり合い。
現代的で非常に興味深いテーマだったんですが、大した結論も出てないはずなのに、勝手に解決した感じで終わります。
敵役のルーサーに至っては、そもそも何がしたいのかも分からない(『ジョーカー』的な意味ではなく)。
実は本作とほぼ同じテーマをスナイダー監督は『ウォッチメン』という、冷戦時代を舞台にしたヒーロー映画で既にやってるんですよ。
しかもそっちはテーマの消化も見事に出来てまして 。まあ、原作通りに撮っただけなんですけど。
同じ監督が同じテーマで、時代を『現代』に移して、『ダークナイト』のC・ノーランを製作に迎えて・・・さあ!どうなるんだろ!?ワクワク!
で、フタ開けたら何も入ってなかったぜ!的な感じ(笑)。ここが一番残念でした。
エンタメ色を押し出したマーベル関連作ならスルーできる事も、ダークな作風を打ち出している本作の場合は、どうしてもその辺りの『真面目さ』を期待してしまいますよね。勝手な話ですが。
見かけに反して、やりたい事はアベンジャーズと全く同じだった、という事です。
そこに落差が生じる。
②“事前知識必須!”
その割には、アメコミに詳しくない人にはかなり不親切なつくりです。本作は『ジャスティス・リーグ』という、マーベル社でいう所のアベンジャーズの様な、DC社版のオールスターヒーローチーム誕生のキッカケを描いていて、副題の『ジャスティスの誕生』はそういう意味です。
メンバー個々の映画から最終的にチーム集合に至ったアベンジャーズとは逆のプロセスを辿るこのジャスティス・リーグ。
これが何も知らない人からしたら辛いはず。
後にメンバーになるヒーローも少し顔を出すんですが、詳しくない人からしたら「あれ誰?」「あの意味何?」なシーンが結構多いです。
前述のルーサーの件も含め、要は鑑賞者の事前知識に頼り過ぎ。まあ、この辺りは説明が多いと冗長だと言われるでしょうから難しい所ではあるんですが。
アベンジャーズという紹介丁寧な好例が直近にある分、相対的評価がどうしても下がってしまう。まあ、DC社は巻き返すために制作を急ぎたいんでしょうね。
裏目に出てるぞ!
③“ズバリ!バットマンとスーパーマンは相性悪い!”
それを言っちゃあ おしまいだよ?
ああ、おしまいさ(笑)!
この2人、戦闘描写の相性が悪いです!
多人数戦やカーチェイス等が主で、カメラワークの問題が大きいとは言え立ち回りが複雑 。だけど内容は面白い、バットマンの戦闘。
に対して
内容は大味で単調。だけどその分 状況は分かりやすい、スーパーマンの戦闘。
その関係性はフォローし合うというよりは、正直『水を差し合う』という印象でした(笑)!
何のための競演や!になってしまうんですが、バットマンの闘いに赤マントが割って入って来た時はマジでシラけましたよ!
似た構造でキャプテンアメリカVSアイアンマンを描く『シビル・ウォー』が傑作だったとしたら、マジでDC社はトドメ刺されかねないですね、コレは・・・。
以上、最後まで読んでくれた人はありがとうございます!
期待の裏返しの愚痴という事で!
ラスト数十分の箱をひっくり返した様な怒涛の展開は大迫力です!どうせ観るぜ!という方は劇場推奨!
あ!本レビューで一番の耳より情報!
本作、本編後におまけシーンはないので、エンドロールを最後まで観なくてもOK!
マーベル映画に変な癖つけられた!