鍋レモン

監視者たちの鍋レモンのレビュー・感想・評価

監視者たち(2013年製作の映画)
3.7
⚪概要とあらすじ
監視を専門とする刑事と武装犯罪グループの手に汗握る攻防を描き、韓国でヒットを記録したサスペンスアクション。

韓国警察特殊犯罪課で凶悪犯の行動監視を専門とする班長ファン・サンジュン(ソル・ギョング)と、記憶力、洞察力、集中力に人一倍たけている新人刑事ハ・ユンジュ(ハン・ヒョジュ)。二人はジェームズ(チョン・ウソン)率いる武装犯罪グループを追っていた。しかし、ジェームズは巧みな戦略で彼らの監視網をかいくぐっていき...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“見たもの全てを記憶せよ!”

「見てたんだ」

⚪感想
香港映画『天使の眼、野獣の街』のリメイク作品。

元は知らないけれど脚本、伏線、演出、映像、キャスト全てが完璧。完成度がとにかく高い。
リメイクしても面白さを保っているのが凄いし、平均スコアも同じ。

終始続く緊迫感に息がつまる。
尾行がバレないかヒヤヒヤする。

知恵のある犯罪組織のボスと韓国警察特殊犯罪課内の監視班で並外れた瞬間記憶と観察力を持つ新人の女性を中心にどちらも魅力いっぱいで描かれる。

超能力ではなく現実的にこういう能力がある人がいるのを聞いたことがあるからそんなに違和感はなかった。
指でリズムをとることで思い出したり記録する演出が凄くいい。

キャストがみんなハマり役。
特にジェームズを演じたチョン・ウソンの闇のある表情が鳥肌もの。普通にいたらタレ目のイケおじぐらいの感覚だけど急に悪魔のように恐怖を感じる時がある。

ソル・ギョングは『ザ・スパイ』で観ているし、ハン・ヒョジュは『ただ君だけ』や『王になった男』でヒロインだったのにこの作品では全然違う人みたいだった。

楽しめるグロ過ぎないスタイリッシュな韓国映画。



⚪以下ネタバレ



ジャケットを見ていたから仲間、敵はわかっていたもののオープニングはユンジュがサンジュンの後をつけているからサンジュンがターゲットなのかなって思うんだけど実は試験でみたいな。
しかもこのオープニングシーンは後半にジェームズの顔を思い出すのに役に立つ。実は電車の中で会っていたっていう。これで思い出すんじゃないかって私も思ってたから合っててめちゃくちゃ嬉しかった。
サンジュンが電話をかけて何かメモしていた時点で「合格」と書いていた展開も良い。

組織では動物のコードネームがつけられるらしくユンジュは小鹿が良かったのに子豚に。作戦を発表する時もチェスの駒のようなものがコードネームに沿った動物になっているのが面白い。
人によって得意とするもの化け方が違うよう。バイクやお店があったり行動範囲も変わってくるらしくそれだけでも色んな個性を持つ動物達みたいで面白いし、ちゃんと始まる時に動物園っぽく「開園」って言う。

リスはユンジュが来た時にその制服は葬式にしか着ないよみたいなフラグをたてたせいでジェームズに殺されたのが悲しかった。

笑いどころもありユンジュのトイレやエレベーターでバレたかと思ったら風俗の人かと思われたとか、ユンジュとリスの変装の服装が似ていることについてとか色々。

ジェームズ率いる犯罪組織はジェームズが居るおかげで凄いだけで他は不満だらけのポンコツが多い。最初の銀行強盗で言うことを気がずに金を盗んで、「俺らだけにやらせて楽だよな」みたいに言ってたやつはボッコボコにされたけど。カバと呼ばれていたやつもコンビニですぐにお金を出せばよかったもののグダグダしているから交通カードで払ったことでより身元がバレることとなったし。
ジェームズがただ向かいで下着姿の女性を撮っていただけの男を自分が撮影されたと勘違いして殺しに言ったのが面白い。殺すの早すぎて怖かった。リスとか命令をしていたおじさんとかサンジュンの時の身のこなしも半端ない。ジェームズのアクションだけでかなりおなかいっぱい。

リスの時は混乱したユンジュだったがサンジュンの時はジェームズを追いかけたユンジュに成長を感じた。血のレベルが違うけども。

尾行をする時にジェームズがサンジュンを鏡のようになっている壁の反射で見つける演出が斬新。

最後はサンジュンとジェームズの一騎打ちで、もしかして二人電車に引かれてとかないよね!!って思ったら電話は違う方にカーブしてジェームズが撃たれてスッキリ。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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