マサキシンペイ

ウォーリアーのマサキシンペイのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.1
手に汗握る迫真の格闘。全米が固唾を飲んで見守る兄弟喧嘩。まさにハリウッド映画の王道のような作品で、とても面白かった。

「家族の離散と修復」という普遍的なテーマと、「サブプライムローン・医療保険制度・経済的徴兵」といったアメリカの時事問題を取り入れた「貧困からの一発逆転」といういかにもアメリカ的な要素を重ねながら、「過去の大きな挫折からのリベンジ」という明快なプロットを、ド派手な総合格闘技大会を舞台に描いていく。
それぞれ戦わなければならない理由を持った兄弟が、戦うべくして戦うという展開は、先が読めていても思わず胸が熱くなる。

余談だが、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でマックスも演じたトム・ハーディは、エネルギッシュなアクションに絶対の説得力を持たせる鍛え上げられた強靭な肉体美と、しかし戦いに傷付いていくナイーブなメンタルを宿した表情という二面性を持っている俳優で、特にこの作品は彼の魅力がフルに出ていた。
近年のハリウッド映画に欠かせない俳優だと思う。
マサキシンペイ

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