horahuki

パラノーマル・アクティビティ 呪いの印のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.3
6月28日公開『ハッピー・デス・デイ』に向けて♫

2〜5の脚本を担当したクリストファーランドンが自らの監督作として製作した、シリーズのスピンオフ作品。本家との繋がりもチョコチョコ出てくるので、これ見るためにシリーズ見といて良かったです!

『パラノーマル・アクティビティ 』と言えば固定カメラですが、本作ではほとんどのシーンで手持ちカメラを採用していて、そう言った意味では「シリーズらしさ」は薄れているものの、若者たちの下ネタを交えたコメディを採用して「ランドンらしさ」を打ち出した楽しい作品でした。

GoProみたいなカメラを使って通気口から隣の部屋を覗き見してたら素っ裸のお姉さんが!!それ見て「今日は人生最高の日だ!」とか言って笑ってたら、その後にババアの全裸が映っちゃったもんだから「萎えちゃった…一生勃たねぇよ…」ってなっちゃう落差のアホらしさがランドンっぽい!アマプラだと全身ガッツリモザイク入ってたけど、ディスク版でもそうなのかな^^;肝心の『呪いの印』が見えないんだけど…

アホらしさとエロネタを散りばめたランドン監督らしい若者たちの楽しい日常コメディの中に少しずつ負の違和感を滲ませつつも、見て見ぬフリができる(あるいは笑い飛ばせられる)レベルに違和感を止め(というより、そうなるようにアホらしさを充満させ)、そこにヒーロー誕生を描くヒーロー映画のような爽快感をも絡めて、どちらに傾くかを先延ばしにし続ける正と負の綱引きの不安定さが絶妙な空気感を作り出していました。こういった明暗の緩急あるいは対比で物語に引き込むのはランドン監督の常套手段ですね。

メキシコ色が強いのも面白かった。『ラ・ヨローナ』でも出てた卵の取り憑き判定方法って映画のオリジナルじゃなかったんやね。それが知れただけでも良かった。でもランドン監督ってメキシコに関係ある人なんかな?『2』でもメキシコかどっか南米のおばちゃん出てたけど、アレもランドン監督の案だったんかな。それか『2』を受けてこっちでも採用って流れなんかな。

キリスト教における悪魔の呪いを、異国の宗教に基づくまじない(神)が迎え撃つという図式がメチャ好みだったので、ここはもっと深掘りして欲しかったところ。主人公は移民3世になるのだろうけど、この神(移民)vs悪魔(アメリカ)は非常に象徴的なバトルにできただろうから、勿体無い気がしました。無力感を強調したかったのかもだけど。

そして残念だったのはクライマックス。せっかくの物語が『パラノーマル・アクティビティ』という足枷に囚われてしまったような印象を受けました。ギャングvs魔女軍団を『ゾンビーワールドへようこそ』のように見せてくれたらめちゃ面白かったと思うんだけどなぁ。あちらは脚本家が優秀だったのかもしれませんが、監督作3作見る限りだと、2〜5まで脚本を担当し続けたこのシリーズはランドンらしくないなって思います。

ついに明日なんで席予約したんですが、サミットの影響で交通網がイカれないか心配…。今日は全く問題なかったけど、明日はなんかヤバそうな予感。
horahuki

horahuki