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複製された男のYYamadaのレビュー・感想・評価

複製された男(2013年製作の映画)
3.3
【評価困難!?】本作に正解はあるのか?
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
×ジェイク・ギレンホール

〈見処〉ネタバレすら出来ない難解作
①「小さな違和感」→「大きな混乱」へ
・原題は『ENEMY』(敵)。ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの原作小説を鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴが演出したジャンル不詳の問題作。
・大学の歴史講師アダムは、同僚から薦められたビデオ映画に、自分と瓜二つの三流俳優アンソニーを発見。もう一人の自分の存在を認知した、お互いの運命を描く。
・冒頭の秘密クラブの描写、母親との会話や彼らそれぞれの女性パートナーとの関係性に触れていくにつれ、鑑賞者に小さな違和感が蓄積するなか、唐突に迎えるエンドロール。何処で迷子になったか、わからないまま映画の幕は降り、全ての鑑賞者は大いに混乱を来すことになるはず。

②解説サイトも諸説入り乱れる
・こんな映画、わかるはずない。
・迷子の状態で、ほぼ全ての鑑賞者はネタバレありの解説サイトにアクセスするはずだが、本命の説を含めて諸説いずれも「しっくりこない」。
・但し、この時点でヴィルヌーヴ監督が配置した伏線の数々は、代表的な諸説のいずれにも筋が通る内容になっており、緻密な設計であることに気付くことになる。

③「駄作」ではない低評価の理由。
・上記のように、本作は、「オープンワールド型RPG」のように、鑑賞者に解釈の自由度を与えている作品ではないだろうか?
・故に自分も含めた鑑賞者は、どのように楽しんで良いのか、わからなかった所以の低レビュースコアになったものと納得出来た作品だった。
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