舞台「真四谷怪談」の主演を務める人気女優は、相手役に売れない俳優を推薦する。2人は実は交際中で、役柄と似た境遇の彼らはやがて役と現実の境界が曖昧になっていって…という話。
三池崇史監督作品。
怖いと評判の映画だったが、これまで観てなかったのは、僕が市川海老蔵が控えめに言っても死ぬほど嫌いという理由のため。また、共演の柴咲コウや伊藤英明も嫌いではないが出演作がことごとく好みに合わない出来だったので、本作も未見だったわけで。
舞台の稽古が劇中劇となっていて、現実と混じり合いながら進む構成で、四谷怪談のおどろおどろしさと合間って日本の古典的ホラー感じが出ていて中々怖かった。まあ、ショックなシーンは他の三池作品の衝撃度には及ばないけど。
先に述べた市川海老蔵嫌いについても、登場人物に感情移入する話でもないのでむしろ嫌いなくらいでちょうど良いほど。海老蔵演じる役者が女性関係にだらしなく、四谷怪談の伊右衛門も浮気で身を滅ぼす男。更に海老蔵自身も今はともかくトータルで見ると遊んでそうな人物なので、役と劇中劇と現実の三段構造で結びついているのには感心させられた。この映画、海老蔵自身が企画したものなので、彼は自分のことがよくわかっているのかもしれない。
ザッツ怪談な結末もなかなか良くて、スプラッターなシーンに抵抗なければオススメできる作品かなあ。
