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ルパン三世 盗まれたルパン ~コピーキャットは真夏の蝶~のbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
ルパン三世TVSP第16作

「その宝石を盗んだ者は皆死ぬ」とされる曰く付きのお宝ブルズ・アイの因縁と、これまでルパンが盗んできた大量のお宝〈ルパン・コレクション〉を巡る大争奪戦が織りなす、ドタバタアクションコメディ!


本作のゲストヒロイン・ベッキーは、父を知らず、母は殺されている、というキャラクター。
ルパンは父親目線で接することになり、ゲストヒロインとのエロ&ラブコメはありません。

前作『お宝返却大作戦』のゲストヒロイン・アニタも、ライバルだった老泥棒マークの姪であり、マークが愛した女性の忘れ形見というポジションだった為、五エ門と若干の仄めかしが入りつつ、ルパンとのエロ&ラブコメにはなりませんでした。
(ヒロインと言いつつ、登場時間の短い脇役でしたので、あまり参考になりませんが。)

そんな前作から引き続き、ルパンとヒロインの関係性の新規軸(路線変更)がみて取れます。
すなわち、
①守護者・父性としてのルパン三世
②庇護対象・娘としてのヒロイン
という関係性へと変化しているのです。

ただし、ルパン作品のヒロインは、困難に立ち向かう強いヒロイン像(搦め手を駆使してはいますが、不二子も強いヒロインですね)がスタンダードなため、②は物語の中で成長し、①の助けを借りつつも、最後にはその手を離れ巣立っていく、という構図になります。

この、娘(ヒロイン)を見守る父(ルパン)という構図は、この先のTVSPでも頻繁に用いられます。

時代が求めるルパン三世が、〈キザな三枚目のお兄さん〉から、〈おちゃらけてるけどいざという時頼れるお父さん〉に変わったのでしょうか?
鑑賞者層・制作サイドの年齢層の上昇が影響しているのでしょうか?

いずれにせよ、ルパン三世というキャラクターのある種の老化と、鑑賞する世間が変わっていくタイミングだった、ということを示すものと受け止めています。

本作以降の視聴率が、20%を切るようになったという事実も、時代が変わったことの証左のように思えます。

【本作のゲストヒロイン】
ベッキー……本名レベッカ・ランバート。
かつてルパンが一夏の間だけコンビを組んだ女義賊キャットこと、カトリーヌ・ランバートの娘。盗みの手口はルパンの模倣犯(コピーキャット)。母を殺した犯人を見つけ出すために、ブルズ・アイを狙う。
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