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FRANK ーフランクーのRのレビュー・感想・評価

FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)
3.8
もんのすご変な映画やったわー。ふつうにサラリーマンやりながらいい音楽を作り出そうとしてるんやけどたいして才能のない若者ジョン君が、ひょんなことからあるバンドに関わるようになる。それは、どでかいハリボテのマスクを被ったフランクという異才を中心にした、ソロンフォルブズというバンドで、彼らの作曲とレコーディングに長期間付き合わされることに。自分が作ってみた曲は全部何気なく却下されつつ、彼らがとんでもなく個性的な音楽を制作いくプロセスをこっそりYOUTUBEにアップしてたら、再生件数が意外と多くなっていって、これはイケるかも!と思ったジョン君がでしゃばって、大きめのライブイベントに出て、もう少しだけ大衆に受ける音楽に傾けてみたらどう?と提案し始めるところからとんでもないことになっていくって流れのブラックコメディ。普通、バンドとか音楽を主題においた映画って、だんだん主人公の才能が開花していって、いい音楽ができて、人気が出てきてハッピーエンド! もしくはそこからこじれて残念だったね、苦々しいね…的な流れの作品が多いと思うんやけど、そういうのとは全く異なるベクトル。すごく消化しにくいモヤモヤを残しつつ、ダウナーなハッピー感覚を残すという…なんとも言えないエンディングだった。こんなタッチの映画、相当珍しい気がする。正直、見てる間は、そんなに面白いと思えない。ってか、バンドメンバーみんなメンヘラやから、変なとこばっか目につくし、彼らの”才能溢れる”奇妙な音楽も、一般の耳にしたら何じゃそれ全然良くねー、理解しようと頑張ってギリギリちょっとは良いかも?くらいなので、何かもう何を見せられてるのかよく分からなくなってくる。で、コイツらみんな病んでんなージョン君だけむっちゃふつーやなー。と思って見てたら、終わります。えっ。てなって、いろいろ思い返してみると、はぁー。そゆことか。ってなります。が、私のように凡才であり、ジョン君ほど俗物根性のない人間には、本作はあまり響くところがない。本作は一部の人間からは熱烈に愛される可能性があるかもしれませんが、一般人はあんまり面白いと思わないんじゃないかな。ただ、見たあとなかなか取れないトゲが心に残って、いろいろ考えてしまう不思議な効果があるのは否めない。見終わった後、じわじわ面白さが感じられてくるのもまた事実。ホント変な映画。
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