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それでも恋するバルセロナのYYamadaのレビュー・感想・評価

それでも恋するバルセロナ(2008年製作の映画)
3.7
【戴冠!ゴールデン・グローブ賞】
 ~オスカー前哨戦を制した作品たち

◆第66回(2008)G.グローブ作品賞受賞
 (ミュージカル・コメディ部門)
◆同年のアカデミー作品賞
『スラムドッグ$ミリオネア』

〈見処〉
①複雑な4角関係!?
・『それでも恋するバルセロナ』(原題: 『Vicky Cristina Barcelona』)は、2008年製作のアメリカ・スペイン合作映画。
・舞台はスペイン、カタルーニャ州バルセロナ。結婚を控える真面目なビッキー(レベッカ・ホール)と、情熱的な恋を求める自由奔放なクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)。親友同士の2人は、夏のバカンスを過ごすバルセロナで魅力的な画家フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)に出会い、それぞれ彼に惹かれていく。しかし、そこへ画家の美しい元妻マリア(ペネロペ・クルス)が現れ…。(eiga.comより抜粋)
・本作はウッディ・アレンが得意とする
ロマンチック・コメディを、国際色豊かな4人の俳優の魅力を余すことなく描かれているコメディ。
・本作にて、ペネロペ・クルスが第81回アカデミー助演女優賞を受賞。スペイン人としては2人目のアカデミー俳優賞受賞者となるが、1人目は『ノーカントリー』(2007)にて助演男優賞を受賞した、本作出演者ハビエル・バルデム。2人は本作公開の2年後に実生活で結婚しているのも、本作による2度目の共演がきっかけ??

②ウッディ・アレンと海外ロケ作品
・本作の監督はコメディアン出身でラブコメを得意とするウッディ・アレン。当時のお気に入り女優、スカーレット・ヨハンソンを三度目の共作となっている。
・海外ロケドラマとして企画化された本作。アレンは拠点のニューヨークを離れ、カタルーニャ州との共同プロジェクトとして、同州より製作費10%の出資を受け作品化。
・現地バルセロナでは、本作が英語の作品となったことから猛反発を受けたそうだが、本作が興行面も批評面の双方で成功したことから、アレン監督による海外ロケ作品の企画化が進み、以降、ロンドン、ローマ、そしてアレン監督の近年の代表作『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)にも繋がっている。

③結び…本作の見処は?
○: ウッディ・アレンらしいコメディ演出は本作も健在。俳優のイメージにあったキャスティングも良い。
○: 映画史に残る『ノーカントリー』殺人者シガーと同一人物とは思えないハビエル・バルデムのフェロモンに注目。
▲: (自分の訪問経験を踏まえ)ローマやパリには劣るものの、バルセロナを俯瞰するような描写に乏しいのが残念。
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