Same

人狼ゲーム クレイジーフォックスのSameのレビュー・感想・評価

2.6
続けて見てるとなんだか癖になってきた人狼ゲームシリーズ第3作。
今回はタイトルのクレイジーフォックスの名の通り、狐という村人でも人狼でもない第三勢力が全12人の中で1人だけ追加されます。

主人公はその狐なのですが、かなり分が悪いカードですね。勝敗が着く段階で生き残ってなくてはならず、両方の勢力から消される可能性があります。

主人公、目が覚めた瞬間目の前にいた男子に一目惚れ!笑
恋する乙女と化した主人公がどう動いていくのかを見る映画なのかと思いきや、テーマ自体は自分の意思を持って生きる意味を見つける?みたいなことだったのかなあ。
こんな極限状態だから、急激に恋に落ちることもあると思うし、生き残るために人殺しをしなきゃならない理由を探さないときっと精神は保てないでしょう。
他のメンバーにしてもそう。
そしてそれが心理戦より感情が優先される展開にも現れていたし、あのラストに繋がって行くわけですね。
ただ演技も脚本も下手なので、その辺の「恋は盲目」「恋に恋している」になぞらえた、誰もが何かに思考が囚われたり縋ってしまう状態から、「本当の自分の気持ち」を見つけるという流れが上手に表現できてなかったかな。
2回目参加の主人公は前回で存在感を消してふんわり生き残ったという事を言ってました。ただ今回は1人しかいない狐なので自分から立ち回らなきゃならない訳ですね。一目惚れした彼のためにもう少し盲目的に行動して、失敗して危機に陥ると言うような場面が無いと後半の覚醒が生きてこないかな。
今回も基本的にはふんわりしてたし笑、周りのメンバーの行動による不確定要素が多過ぎました。

今作においては、実際の人狼ゲームのような心理戦や頭脳戦を中心に描かないのは映画としては断然正解だと思いますね。
その場のノリとか感情で投票しちゃうシーンなんかは結構リアルに感じました。
なんなら全員で極力人狼ゲームをしない方向に行動する回も見てみたいなあ。

人狼ゲーム自体はすごく前に一回やっただけで、このゲームのキモとか勝ちのためのルートみたいなのはわからないので、今回導入された人狼同士がお互い誰が人狼なのかわからない設定は良かったですね。

監督さんが変わったので、前回までの極力不思議アイテムを無くして、普通の高校生の日常に血が吹き出すような死が突然襲いかかる怖さをリアルな演技力だけで見せる舞台劇から、普通のB級映画になりました笑
ピップエレキバンは首をワイヤーで締めるガジェットに変わり、閉じ込められた建物を、安っぽい造形の結界みたいなもので囲ってあります。
一番の新アイテムは、見た目薄い普通のドアに見えるのに、外で人狼が喋っても喚いても全く聞こえないという驚きのハイテクドアかな笑

1作目2作目は少ない予算でいかに面白い映画にするかいう目標に対して、一部の達者な人を除いて若手役者の演技力に問題があって、結局チープなB級映画だったので、印象は3作目の今作も変わりません笑
特に今回は演技が上手い人が1人もいなくて、演劇部感が強かったかな。台詞回しは普通のドラマ風だったので観やすかったですけど。

今の所アクが強い土屋太鳳の演技と後半の展開が良かった2作目がわずかに分があるけど、設定が単純過ぎて捻りようが無かった一作目よりは3作目は全然楽しめましたよ!
Same

Same