のnきち

アメリカン・スナイパーののnきちのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.5
2022年劇場鑑賞no.3
新宿ピカデリー シアター9 J-12

イーストウッド監督デビュー50周年記念作品『クライ・マッチョ』公開記念特別上映にて。
イーストウッド監督、ブラッドリー・クーパーがクリスの家族、友人に綿密な取材を重ねて作った作品。

9.11の衝撃は今でも覚えている。
大学生の時分で、人生何が起きるかわからないものだという衝撃を受けた。

テロを目の当たりにし、兵士志願をしたクリス・カイルの物語。
スナイパーとして伝説と言われた実在人物。
イラク戦争で4度の派遣。
クリスの行動は誰にでも出来る訳ではなく、この人が救った命もたくさんある。(一方で犠牲になる命もたくさん)
そして、その家族は不安な日常しか送れない。
正義感の善し悪しを改めて考えるきっかけとなる。

この作品で一番印象的なのは、軍人のメンタル。
兵士のメンタルを生々しく描いているので、状況を少しでも窺い知ることが出来た。
キャリアカウンセリングに携わっている身として、その心理状況から退役軍人のキャリアについてを考えさせられる。
セカンドキャリアを構築していくためには、まずは心のケアに時間がかかるし、キャリアカウンセリングも大変そう。

特に印象に残ったのはタイヤ店のシーン。
クリスが戦地で助けられたというマッズから声をかけられる。
足を失ったが生きてることの感謝を伝えられるカットには涙。
このシーンのマッズの前向きな表情とクリスの心が戦地にとらわれている様子の対比に胸を締め付けられた。

映像的にも、特に終盤の砂嵐のシーンはスクリーンで鑑賞出来て良かった!
緊張感の走る戦地のシーンでは、ほとんど口が開いていたように思う。
さすが巨匠!
超高齢監督だから頑張らないで!って思うけど、頑張りたい人なんだろうなぁと作品観ながら思ってしまう。

本当に戦争は嫌いだ。
戦争を知らない時代の日本に生まれ、のほほんと暮らしているけど、生きているうちに何が起こるかわからない。
巻き込まれるのはトップの人間ではなくほとんどが一般人。
改めて、世界平和を願う。

重たく辛い132分だけど、
スクリーンでの鑑賞で正解だった。
のnきち

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