のnきち

梅切らぬバカののnきちのレビュー・感想・評価

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)
3.8
2022年劇場鑑賞no.1
新宿バルト9 シアター4 D-8
(幅感良し。もう少し後ろのが好みかも)

今年は少しは映画鑑賞の記録を残していこうかなぁと思いレビュー。

昨年の公開当初、朝の情報番組で加賀まりこさんがPRしていて気になっていた。
元旦映画を探して、新宿バルト9へ。

苦いこともあるけど、少しだけ人の心のあたたかさを感じることのできる素敵な作品。

自閉症の息子とその母親の地域を取り巻く現状を描いた物語。
障がい者グループホームの生活や社会との関わり方が少しだけ垣間見える。
お互いが理解することは難しいことを窺い知ることができた。
お互いの背景をしっかりと理解できる場があれば、上手くいきそうなのに。
でも、人間は自分を優先するのが常だと思うので複雑な気持ちになる。

加賀まりこさんと塚地武雅さんの母と息子の関係があったかい気持ちにさせる。
50歳になる息子と母親の日常。
ほっこりとコミカルに描かれるだけでなく、現実にはきっとこの様な親子が居るんだなぁと感じる。

特に塚地さんの役づくりは凄いなぁと思った。自閉症の方を相当研究したのではないだろうか。なんといっても、ちゅーさんというキャラクターの人間味の表現力がすごい。
そして、加賀まりこさんの息子への愛情。ちゅーさんがホームに入った後のもの悲しさが切ない。

観た後に、この母子の行末が気になった。

人の言動には必ず理由がある。
日頃からその人の背景を考えて行動できればいいなと改めて考えさせられた。

元旦からいい作品に出会えた。
2022年映画はじめに考えさせられる作品だった。
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