成川ジロー

ナショナル・シアター・ライヴ 2015「フランケンシュタイン」の成川ジローのレビュー・感想・評価

4.5
カンバーバッチas博士版はだいぶ前に見て、今回のNTL at HOMEで、タイミングが上手く行かなくて見たいのに見れなかったカンバーバッチas怪物版をようやく鑑賞。

ダニー・ボイル演出のこの舞台は前半はギミックを使いまくってやたら豪華で凄い。ダニー・ボイルといえば光の演出だけど、生命力の表現の電球がやっぱり格好良い。演者は勿論皆良くて、結構コンパクトにまとめられていて見やすくて、演劇苦手な人にも良いんじゃないかと思う。youtubeでの全体公開ということで、一部カットされてしまっていたのが残念。まあ強姦殺人的なシーンだから仕方ないのかな?

最初に見た方だからってのもあるだろうけど、やっぱりジョニ・リー・ミラーの怪物の方が好きかな。「望んでこの世に生を受けたわけではないが、生きているからに生きるために戦う」と言う力強さがジョニ・リー・ミラー版の方が上に思えた。ラストもよりパワフルだった気がする。対してカンバーバッチの怪物は純粋さや無垢さが上で、人の愚かさが浮き彫りになるのがよりエグいように感じた。
まあここらは好みの問題なんだろうけどね。実際甲乙つけ難いとは思うし、オープニングのシーンは二人共圧巻の演技力。素晴らしい。

at HOMEのyoutube自動翻訳が、『一人の男と二人の主人』を以前に見たから慣れたつもりだったけど、やっぱり否定の意味の「No」を「番号」と訳すのは勘弁してもらいたいな。あと、一部だけ喋ってる人を文字出ししたときの「ビクター」を「勝利者」と訳すのも、急にやられてちょっと訳わからなくなった。自分のCPUを作品鑑賞じゃなくて自動翻訳のシステムと整合性に使わされるのがつらい。。カンバーバッチas博士版はちゃんと見てるし、怪物の英語は単純だから問題無く見れはしたけども。
ちゃんとした字幕のデータはあるんだから、こうやって流すってなったとき、それを付けた上映は考えてもらえなかったのか……ってか何度でも言うけど、頼むからブルーレイorDVD出してくれ!各年のBOXにしてくれたら5万くらいは出すぞ!『人と超人』と『フォリーズ』、『エンジェルス・イン・アメリカ』一部二部あたりマジで欲しい。頼みます!お願いします!オススメです!
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