YYamada

JOYのYYamadaのレビュー・感想・評価

JOY(2015年製作の映画)
3.5
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈シングルマザーの特許王〉
  ~ミラクルモップの発明/ 1989年
・場所: アメリカ
・人物: ジョイ・マンガーノ

〈見処〉
①アイデアひとつ!
 成り上がり人生を描いた快作
・『ジョイ』は、2015年に製作された伝記映画。
・舞台は1989年のアメリカ。シングルマザーのジョイ・マンガーノ(ジェニファー・ローレンス)は2人の子供と家族の面倒を見るため一心に働いていたが、その暮らしは一向に良くならず。
・ある日、グラス掃除に使ったモップで怪我をしたジョイは、触らずに絞ることが出来るモップのアイデアを閃き、借金を重ね、父ルディ(ロバート・デ・ニーロ)の工場でモップを生産するが、誰も彼女の発明品には見向きもしなかった。
・落胆するジョイだったが、元夫の伝にてショッピングチャンネル「QVC」のニール・ウォーカーと知り合い、彼女の発明品が番組で紹介されることとなる。ジョイはこれでようやく成功を手にしたかのように思えたのだが、彼女が乗り越えなければ試練はまだ数多く存在した…(wikipediaより抜粋)。
・生活苦で明日も見えない環境で、幾度の挫折を乗り越え、チャンスを切り開こうとするジョイの成り上がりぶりを描いた快作であるが、日本では劇場公開されずビデオスルーとなった。

②三度目の「共作」
・監督・脚本のデヴィッド・O・ラッセルとジェニファー・ローレンス、ブラッリー・クーパー、ロバート・デ・ニーロの4人による共作は『世界にひとつのプレイブック』(2012)、『アメリカン・ハッスル』(2013)に続き、短期間でありながら、本作にて3度目。
・非常に厳しい演出にて、女優泣かせで有名なラッセル監督であるが、アカデミー主演女優賞をもたらしたローレンスへの演出はお手のもので、本作では、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞に続き、アカデミー賞主演女優賞には、史上最年少(25歳)で4度目のノミネート。うち3作がデヴィッド・O・ラッセル作品と抜群の相性の良さである。

③結び…本作の見処は?
○: 作中ずっと悲壮なジョイがどのように形勢逆転していくか、ドラマよりドラマティックな実話に基づくストーリーとなっている。
○: 本作のジェニファー・ローレンスは、地頭の良いシングルマザー。作中の歳に合わせた圧巻の演技に加え、彼女のフィルモグラフィーの中でも、一二を争う美しさが垣間見れる。
○: ブラッリー・クーパーがいつ登場するか、焦らしの演出の妙。
▲: オーラもコメディエンヌのどちらも感じさせない本作のロバート・デ・ニーロ。ちょい役ではなく、作中多くに出演シーンがありながら、デ・ニーロの無駄遣い感が残念。
▲: 社会派作品で鳴らした、デヴィッド・O・ラッセル監督作としては平凡。サクセスに至るまでの描写が長い。
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