140字プロレス鶴見辰吾ジラ

レヴェナント:蘇えりし者の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.0
GW映画7番勝負第5戦。

狂気と言う名の美学‼︎

まず感情面から言わせていただくと、アカデミー監督賞受賞のイニャリトゥ監督はあまり好きという感情に至りません。賞を獲りにきている作品性とテーマの入れ方がどうにも飲み込めない。ただ今作を作るのに当たって日の出日の入りの光源に拘り続け雄大な自然の神秘性を描き切ったのは素晴らしいですし、主演男優賞のデカプリオも賞獲る気持ちを滾らせグラスを演じきる徹底ぶりに心動かされます。
劇中のグラスの怒りに心を焼かれ狂ったように生と復讐にしがみつく様は、かつてレオ様と呼ばれていたデカプリオでなく狂気染みて主演男優賞を獲りにきたデカプリオです。

作り手側の狂気が作品に滲み出て、雄大な自然の前のちっぽけな人間の復讐心を、ある種”神vs人間”のように描いています。
狂ったからこそ手が届く領域でしょうか?

そして撮影無双ルベツキ無双も必見ですね。相手は大自然でもあり、人間のエゴであり、それをキャラクターにグッと寄ったカメラワークで人の側に立つ。
序盤の戦闘シーンは、プライベートライアンを彷彿とさせるような目まぐるしさです。

あとクマの大活躍も忘れません!
くまモンとかプーさんとか人類は可愛がってますが、絶望的に強い。こいつは神の側。死んだフリなんか出来そうにないです…

絵の力が存分に発揮され見た後の疲労感もひとしおのもの。

ただ長いです。
158分というのは…
壮大さがゆえのマイナスなのか?それとも神の視点としては我々は不十分なのか?
答えは神に委ねるのか?
ラストカットはバードマンと同じく何をとらえるのか?
この熱量に凡人は焼かれるのでした。