ぎー

沈黙ーサイレンスーのぎーのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
3.5
遠藤周作の「沈黙」の実写映画。子供の時に大好きだった本だからドキドキしたけど、よくできていた。スコセッシは凄く好きな映画監督というわけではないけど、日本の小説を実写化した本作を日本人として見て、スコセッシが巨匠と言われる所以がよく分かった。なかなかハリウッド作品で日本の時代考証や演出をこんなにできるものではないと思う。芸術として本当に素晴らしい映画作品だし、映画監督だと感じた。上映時間が長いし、演出の起伏が欠けてはいるところはあるけど。宗教とは何か、考えさせられる作品。ちょっとした役で小松菜奈が出演していたが、存在感が抜群だった。キチジローを演じた窪塚の演技も、弱い人間らしさをよく出していて、素晴らしかった。下手したら日本の映画監督よりも江戸時代の日本の風景をリアルに描けていたのではないか。拷問のシーンは胸が痛むほど壮絶だった。どうして無垢に神を信じる罪のない信者達が苦しまなければいけないのか。とても難しい映画だった。

以下、備忘ストーリー。
〈起〉自分達の恩師であるフェレイラ神父を救うため、ロドリゴとガルぺは日本行きを決意する。マカオで出会った日本人キチジローの案内で長崎の村にたどり着く。たどり着いた村と五島列島で神父としての役目を果たす。
〈承〉井上筑後守の取締りが強まり、踏み絵の末にモキチ達熱心な信徒が処刑される。村の危険を感じたロドリゴとガルぺは村を後にし、別行動をとる。
〈転〉再会したキチジローの密告でロドリゴは井上筑後守に捕まる。モニカ達と共に取り調べを受けるがロドリゴは棄教しない。しかし、恩師であったフェレイラと再会し彼が棄教したことを知る。また、信徒の処刑を止めるため、盟友ガルぺが命を落とすのを目の当たりにする。
〈結〉信徒が井戸に逆さ吊りにされて拷問を受けているのを見て、耐えられずとうとう踏み絵を行う。幕府の者として生涯を送ることになるが、死ぬまで信心を捨てることはなかった。
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