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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女の小のレビュー・感想・評価

3.2
妻が観たいというので鑑賞。これアレですね、一連のシリーズを楽しむためにとりあえず観とけ的な作品なのではないかと。単独なら、お金をたっぷりかけた中途半端なB級ホラー映画って感じなだけだったかな。

複数の映画作品で架空世界観を共有するシネマティック・ユニバース。アベンジャーズの「マーベル」、バッドマン、スーパーマンの「DC」、GODZILLA、キングコングの「モンスターバーズ」に続き、「ユニバーサル・ピクチャーズ」はクラッシック・モンスターが主役の「ダーク・ユニバース」。

ドラキュラ、フランケンシュタイン、ミイラ、透明人間など懐かしのモンスター映画をリブートしていくプロジェクトの第1弾が本作。これから大きく広がっていく世界観のイントロダクション的位置づけになるのかな。

シネマティック・ユニバースというのは、コングロマリット(複合企業)的な感じなんですかね。いろいろ集めて相乗効果を出していこうという。お金儲けを追求していったらこうなったみたいな、いかにもアメリカ的発想のような気がする。

そしてウケた実績のある映画を、高度なVFX(視覚効果)と誰もが納得の人気スターを起用して作り直すというのは、SF大作同様、巨額投資のリスクを軽減するための常套手段。

リスクの高い研究開発で新たな世界観の創造にチャレンジするのはベンチャー企業のやること。どこかで観たことのある二番煎じの世界観で、カネにものをいわせて確実に儲けるのが大企業。ストーリー? 何ソレ? それよりもどうですか、この映像、このアクション。凄いでしょ。主演も当代きっての大スターですよ、と。

それに、二番煎じもたくさん集めれば、ナントカ「ユニバース」になって新たな世界観が創造できるでしょ、と。今後の作品それぞれの主演スターを集めた集合写真は、これからもっと凄いことになりますよ的な、わかりやすいメッセージ。

だから、とにかく観てみてよ、この作品。これから広がる「ダーク・ユニバース」の世界観を楽しみに待っていてよ、と。

ということで、今後の映画がどんなものか、大体想像ができてしまうのだけれど、次も観たいような、観たくないような「コンコルド効果」な気分。ちなみにコンコルド効果とはウィキによれば次のようです。

<「埋没費用効果 (sunk cost effect)」の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態を指す。超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。>

投資は「見切り千両」というけれど「ダーク・ユニバース」株はどうですかね?

●物語(50%×2.0):1.00
・イマイチはっきりしない主役のキャラクター。ストーリーも退屈。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・アクションはさすが。年を感じさせないところが凄い。

●映像、音、音楽(20%×5.0):1.00
・映像がキモですから…。
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