むぅ

Love Is All You Need?(原題)のむぅのレビュー・感想・評価

Love Is All You Need?(原題)(2011年製作の映画)
3.6
“相手の立場になる”

シスジェンダーでヘテロセクシャル。それがマイノリティである世界を描く。

時々、私をチクリと刺す違和感の正体はこれか。特にジェンダー、セクシャリティにおいて、自分含めマジョリティ側の「受け入れてあげよう、認めてあげよう」的なニュアンスにモヤっとしていたのか。

同性愛を描いた作品で、恋に落ちる感情や相手に魅かれていく様子に共感したことはある。
でも、自分が恋に落ちる感情をおかしいことなのでは?と不安に感じてしまう体験を本当にしたことがあっただろうか?
少女の見つめる先が少女ではなく、少年だっただけで、こんなにも“相手の立場になる”ことの痛みの感じ方が変わるのか。想像力がいかに足りていなかったかを痛感した。

トランスジェンダーや他の色々なセクシャリティは描かれないけれど、マジョリティの世界がマイノリティに変わることを体験させるためには、このシンプルさが必要だったのだと思う。

人の数だけ在り方があるし、その人の中だけでもたくさんの生き方、愛し方があると思う。
理解出来ないこと、受け入れられないことと、それを批判したり攻撃したり排除しようとすることは全く違う。

無意識のうちに誰かを傷つけることや、悪意なく相手を追い詰めることはしたくない。でも、きっとしてきた。これからも、してしまうかもしれない。
そうならないためには、を考えさせられた。
むぅ

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