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ジェイン・オースティン 秘められた恋のメルのレビュー・感想・評価

3.6
マギー・スミスの訃報に触れて。
出番は少なかったけれど、(ダウントン・アビーの様に)気位の高い貴族のお婆様役で、良い雰囲気出してました。笑

2003年にジョン・スペンスが発表した小説 "Becoming Jane Austen: A Life "を元に作られた様で、ジェイン・オースティンが作家として自立するまでの生活が描かれている。

物語の内容はあくまでも想像であり事実とは大分違うと言う人もいるけど、どちらにせよ舞踏会や人々の集まりなどを通して当時のイングランド南部の生活や風習を感じることが出来た。

牧師である父親は「女性が何かに秀でていたら決してそれを表に出してはいけない。ユーモアは良いが知性は最も危険な才能だ」と言い切る。

女性が結婚でしか生きる術が無かった時代、親の決めた資産家との縁談をよそに、心揺さぶられる男性と巡り合い…という話。

アン・ハサウェイが華やか過ぎて、少しイメージが違う感じがするのですが、後半の苦悩する場面や終盤でのしっとりとした雰囲気は良かった。
ジェームズ・マカヴォイは悲恋が似合う。

なんと言ってもこの邦題が悪い。
秘められた恋でも無いのに意味あり気な表現は、的外れを通り越して下品な感じすらする。

「家族を犠牲にする愛は脆い」と言ったジェインの言葉は、彼女の作品の中からイメージされた台詞だろうと思うけど、それは真実かもなぁ…としみじみと思ってしまった。

そして「高慢と偏見」を匂わせる様な台詞がチラつくのも少々わざとらしい。

私の中ではマクゴナガル先生のイメージが強いけど、生涯現役だった名優マギー・スミスのご冥福をお祈りします。R.I.P. 🙏
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