Same

キング・スネーク 殺人大蛇のSameのレビュー・感想・評価

2.6
Filmarksの評価がここまで低くなる様な出来の映画ではなくて、かなり手堅く作ってありましたよ。

監督のアラン・A・ゴールドスタインはチャールズ・ブロンソンのデスウィッシュシリーズ5作目を撮った監督さんなんですね。B級映画職人って訳じゃないんだな。

まあテレビ映画なんで、CGの酷さは否めません。デザイン、CGそのものの出来は悪くないものの合成がまずいですねー。

【あらすじ】
ブラジルのアマゾン奥地で300歳で亡くなったと推定されるミイラが発見される。アメリカの研究チームはこのミイラ「アマゾンマン」が300年生きることが出来た秘密が発見された土地にあると睨み、調査チームを送り込む。
調査を始めた一行はガイドのマット(スティーヴン・ボールドウィン)のヘリで現地に向かうが、その土地にはナガと呼ばれる巨大な大蛇が待ち構えていた…

まあ、あらすじはいい感じですよね。アナコンダ2に似てますけど笑
巨大蛇ナガは大きなメインの顔と手の様に使える小ぶりな顔がいくつもついたモンスターで、人間も一飲みできるビッグサイズ!
この手の映画としては珍しく前のめり気味にガンガン登場して、バクバク人を食べてくれます。
CGの出来がかなりまずいんで、うわー襲われちゃうーみたいな役者のジタバタカットと、プレデターみたいなサーモグラフィー風ナガ視点を挟んで、下手な合成で食べられちゃうCGカットのせいでアホみたいなシーンが連発しますが、飽きはしませんね。

ナガは名前の通りインド、東南アジアのヒンズー教、仏教圏でやたらモチーフとして見られる多頭の蛇の神様ナーガですね。
仏教では瞑想する釈迦の傘になってみたり、ヒンズー教では乳海攪拌の綱引きの綱になってみたり、とにかくメジャーキャラクター。ブラジルでも同じような姿で崇められているという記述は確認できませんでしたけど、かつて南アメリカ大陸に渡ったアジア圏の人間が伝えたのかもしれない、という文化が飛び火した想像ができて楽しいです。

映画が後半になってくると、ナガを信仰してるアマゾンマンの部族が登場し、神秘的な原始の暮らしをしている原住民と、搾取しようとやってくる西洋文化の衝突というよくある構図になるのと、ずっと密林(にも見えない近所の森みたいなシーンも散見される笑)で行ったり来たりが増えるので、かなり退屈になってきます。
ナガはかなり強くて、デカイのに音もせず突然現れて旺盛な食欲で人を食いまくり、悪趣味な性格も全開で、腹だけ食いちぎって内臓ぶちまけさせたり、両手両足を一斉に食いちぎってダルマ状態でドスンと地面に落とした後、顔を食いちぎって胴体だけにする残酷食いをしてみたり、口から酸を吐いて顔を溶かしてみたり文字通り八面六臂の活躍!です!

映画はなんとなく『ダンス・ウィズ・ウルブス』や『ラスト・サムライ』みたいな展開になっていきます。結構嫌いじゃないです。
とはいえ予算のなさでチープ、モンスターパニックとして既視感バリバリでオリジナリティが無く、主演と思しきスティーヴン・ボールドウィンのやる気がなさ過ぎて萎えるので、おすすめはしません笑
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