河豚川ポンズ

ドローン・オブ・ウォーの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)
3.5
ドローンを使った現代戦の現実をまざまざと見せつけられる映画。
何となくパッケージの次点で「あまり明るい内容じゃ無さそうだなあ」と思っていましたが、イーサン・ホークが観たくて借りてしまいました。
そうです、イーサン・ホークに多い、いわゆるパパ枠の映画です。笑

アメリカからドローンを用いて中東のテロリストの監視、場合によってはミサイルによって排除を行う主人公。
家族とアメリカで暮らしながら、まるでテレビゲームのように爆撃を行う一方で、確実に人を殺しているのだという感覚の解離にどんどん心を痛めていく。
そして不慮の事故によって子どもを爆撃に巻き込んでしまったことで、その解離はより実感を増し、自分のしていることは正義なのか、それともテロリストを無闇に増やす愚行なのか、とうとう自暴自棄になってしまう。

どんどん任務をこなすことでやつれていくイーサン・ホークの演技には、やはりすごいなと思えるものがあります。
ストーリーのテーマがテーマなのでとにかく暗い、そして重いものです。テロリストを排除するという正義がある一方で、それには非人道的なところがあるというどうしようもない問題、それを抱えた現代戦の歪みを露にしていると思います。
個人的に暗い雰囲気の作品は肌にあわないので、やっぱりこういうのはちょっと苦手ですね。笑