河豚川ポンズ

トップガン マーヴェリックの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

5.0
トム・クルーズの俳優人生の総括みたいな映画。
トム・クルーズ、齢を重ねるごとにアクションへの執念みたいなものが増してる気がする。

アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」。
そこで空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐(トム・クルーズ)はまさに伝説のパイロットとして知られていた。
しかし本人は昇進を拒み続け、現在は新型試作戦闘機「ダークスター」のテストパイロットを務めていた。
ダークスターの開発テストの目標は最高速度マッハ10を出すことだが、機体はもちろんパイロットにも大きな負担がかかることが予想されたが、マーヴェリックは計画凍結の土壇場でマッハ10への到達を成功させる。
しかし、彼の向こう見ずな性格からさらに速度を上げようとした結果、ダークスターは洋上で空中分解、大破してしまう。
マーヴェリック自身は無事脱出したものの命令違反により、チェスター・“ハンマー”・ケイン海軍少将(エド・ハリス)から飛行禁止の処分を下されようとしていた。
だが、トップガン時代の戦友であるトム・“アイスマン”・カザンスキー海軍大将(ヴァル・キルマー)の強い要望により、トップガンの教官職を命じられたのだった。

まだ5月なのに来てしまいました、2022年最高クラスの傑作が。
なんやかんやで今年の終わりには「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」「THE BATMAN-ザ・バットマン-」「ゴーストバスターズ/アフターライフ」あたりが今年1番だったわ~とか言ってそうだなと思ってたところに、とんでもないエンターテイメント大作がぶち込まれてきた。
正直予告見た時点では「トップガン」から36年経ったし、最近流行りの昔の名作をリメイク・リブートしとけ的な流れでしょって、かなり冷めた目で見てた。
そもそも「トップガン」自体が自分にはそこまで刺さってなかったので、今作もそこまで期待してなかった。
そしたら、完全にこっちの予想を軽々と飛び越えた。
続編として超エモくて完璧なアンサーを出しつつも、ストーリー、アクション、演出、音楽のどれも手を抜かない。
ハリウッドスターとして君臨し続けるトム・クルーズのトム・クルーズによるトム・クルーズのための、映画哲学やら精神が詰め込まれた魂のメッセージがこもってる。
このトム・クルーズの生き様を見届けなければ映画好きの名が廃るってもんですよ。

アクションについては、そもそも製作キャストにクリストファー・マッカリーとジェリー・ブラッカイマーがいる時点で傑作であることは疑いようが無いですが、もはや「ミッション・インポッシブル」シリーズの続編みたいな感覚だった。
何てったってトム・クルーズ特有のアクション現物至上主義がこの映画でも徹底されていた。
「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」あたりから頭のねじ外れてきてるような感じはあったけど、さすがに戦闘機のシーンは本物に乗ってコックピット内で撮影してるとは思わなかった。
わざわざ世界に数台しかない何十万ドルもするIMAXカメラをコックピット内に設置して撮影するという気合の入れ様。
でもそんなIMAXで観ただけあって、めちゃくちゃ説得力のある迫力満点のシーンで満足しかない。
しかも監督は「オンリー・ザ・ブレイブ」のジョセフ・コシンスキー?
そんなのもう熱くてカッコイイ映画になること間違いなしだった。
本編観るまで本当にスタッフとか調べてなかったから、もし調べてたら期待値爆上がりだったと思う。

間違いなく今映画館で観ないと後悔するタイプの映画なので、観てない人は今すぐチケットの予約をしてほしい。
それだけ言っても言い過ぎじゃないと思えるぐらいに良い映画だった。