馬井太郎

ストックホルムでワルツをの馬井太郎のレビュー・感想・評価

ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)
3.0
入院・手術で、1か月以上、病院という名の監獄生活でした。そんなわけで、小生の書き込みはまったくのご無沙汰でしたが、皆さんの精力的な評論は、楽しく拝見していました。
ようやく退院して観たのが、「ストックホルムでワルツを」。
10月に観た予告編からマークしていたので、封切り上映に間に合って本当によかった、と思う。けれども、案に違わず、「サクセス・ストーリー」のお手本、無難な半生自伝映画になっていた。
ならば、何処かいいところはないか?・・・ あった! それは、主役・エッダ・マグナソン(モニカ・ゼタールンド役)の美貌だ。
生前のモニカと瓜二つ、さらに、加工されてないことを信じてその歌唱力、こんな女優をよくぞ見つけてきたものだ。さらに、O・ヘップバーンを彷彿とさせられる衣装も。衣装も広義の演技のひとつであろう。

物足りないと思ったのは、ニューヨークとストックホルムの土地感覚とでも言おうか、「土地さ(差)」の描写が貧弱だった。

父親からの電話で話すモニカ、ホテルの外に広がる夜景に向かって話をしている。スクリーンには、彼女の後ろ髪だけだ。窓ガラスに夜景がぼやけている。
電話が切れる。ようやく、モニカが、カメラ側に顔を向ける。頬が涙で光っていた。