140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ゴジラ キング・オブ・モンスターズの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.0
【進撃の巨神】

“いきなりステーキ”
みたいな映画だった。

とにかく画面にドデカい肉だ映りまくる。
肉肉しい食べ放題のような怪獣の激突。
高タンパク(怪獣バトル大盛り)で
低糖質(人間ドラマ少なめ)な
カロリー高いが太りにくい
怪獣がドデカくて
人間は添え物程度な
怪獣ファンに堪らない大怪獣モノ。

設定は、かつて地球を支配していた古き神々たちが人間の世界から地球を取り戻すという「クトゥルフ神話」じゃないですか!?それをゴジラ、モスラ、ラドンそして宇宙から来たキングギドラ(モンスターゼロの名前オマージュ)たちが全17体の怪獣たちが彩るのだから、高尚な映画よりも巨大な肉を貪るように厨二魂が熱い咆哮に呼応していく。

人間ドラマは、冒頭の2014年のゴジラvsムートーの舞台、炎上する瓦礫と化した街で息子の名前を呼ぶ父親と家族のシーンから「ガメラ3じゃねえか!?」と大きく突っ込みつつ、サノスばりの理論でエコテロリストが怪獣を操って地球を浄化しようとすれば、どこから巨額の資金が出たかもしれない暴走劇と、移動速度的に地理感覚がぶっ壊れる場面転換で栄養値がガバガバ状態。クライマックスに向けての娘の行動に置いて、何故そこががら空きになっているのかが信じられない。暗黒期のベイスターズの守備以上の酷さ…

それでも怪獣とデフォルメ化した「クトゥルフ神話」の住人たちと共存しよう、敵と和解しようという大枠のテーマは、あくまでアメリカ版のゴジラであることを示しながら、平成版の「ゴジラvsキングギドラ」をなぞったゴジラをある方法で復活させる(渡辺謙が王の玉座に人間の凶器・罪を運び届け、ゴジラを友として受容する)シーンや、ゴジラの危機にあの怪獣が身を挺して守り、そして力を与えるシーンからの豪傑なゴジラの王たる振る舞いは本当に素晴らしい。ラストカットのゴジラが神であり、支配者であるとど直球に表現したシーンは圧巻。

今回は人間ドラマは最低限、家族愛や自己犠牲精神をアメリカナイズして挿入するも基本の画面支配者は怪獣たち。怪獣たちが人間味を見せるシーンは最高。特にラドン。ラドンなんて可愛い名前だと言われるも、好戦的な彼の性格ゆえのアクロバティックアクションは素晴らしく、モスラとの対戦の末、レイプカウンターみたいにしてやられるシーンは最高!ゴジラに喧嘩を売りたいけど結局ひれ伏してしまうヤンキー感最高!可愛い、超可愛い!

とにかく肉を喰え!怪獣を見ろ!
ガッツリ怪獣世界にひれ伏せ!
怪獣王ゴジラを拝めよ!!



追記)
・ゴジラのテーマは秒でアガる!
・モスラのテーマ神秘的、妖艶。
・ゴジラの咆哮から追従する戦闘機は正に王たる振る舞い。
・エンドロールまでが本編。