茜

ゴジラ キング・オブ・モンスターズの茜のレビュー・感想・評価

4.3
ゴジラシリーズは子供の頃に数作観た程度で、ハリウッド版も前作は未鑑賞の自分ですが、それでも充分楽しめる要素は満載。
やはり大きなスクリーンの中で暴れまわる怪獣の姿や、迫力ある音響で聞く雄たけびはグッと来るものがあります。

外国では一部の評論家達が「人間パートが少ない」との理由で低評価をつけていましたが、個人的にはまだまだ多すぎると感じるほど。
怪獣たちが神々しく姿を現して、いよいよ大迫力の大喧嘩が始まる…!と高ぶったタイミングで人間パートが差し込まれるので、急に現実に引き戻されるという場面が何回もありました。
しかも本作では人間の身勝手さがとにかく目に付くので、感情移入出来る人間が極端に少なく、寧ろ怪獣達の方が行動に一貫性があり、しっかりとした意思を持っているとすら感じる。
そのため個人的には人間パートが蛇足に思えて仕方なかったです(演出上必要なものではありますが)

ただしゴジラをはじめとした怪獣達が見せてくれる迫真の戦いは本当に素晴らしかったです!
特にモスラが大好きで殆どモスラ目的で鑑賞しに行った自分は、日本版よりシャープになり妖艶さを増したモスラの神々しい姿に思わずうるっと来てしまうほど。
映画秘宝で芦田愛菜ちゃんが「モスラはゴジラの事が好きなんです」と語っていましたが、本作のモスラの勇姿は本当に素晴らしく、ゴジラに寄り添う姿も強くて美しい女王の貫録で、そこにまた感動して泣きそうに…。
回転して飛び回りながら戦闘機を弾き倒すラドンや、より悪役として凶悪さを増したキングギドラもかっこよかった(但しギドラはやっぱり金色がいいなぁとも思ったり)
そして王様ゴジラの貫禄も素晴らしく、押され気味でハラハラするシーンからの圧倒的なパワーはやはり怪獣界の王様を思わせる姿で素晴らしかった。
渡辺謙さん演じる芹沢博士がゴジラと人間を繋ぐ重要な役どころを担っており、日本人俳優にこの役割を託すという点も、ハリウッドなりの日本版ゴジラに対する敬意の表れなのかなとも感じました。

怪獣バトルは満点、人間パートは個人的にいまいちでしたが、ゴジラとモスラの勇姿、そして渡辺謙さんのハリウッドでも見劣りしない存在感に星を捧げたいと思います。
茜